エルネック(ELNEC-J)とは?看護師が取得するメリットや受講方法などを解説

看護師が取りたい資格図鑑シリーズの「エルネック(ELNEC-J)コアカリキュラム指導者」を紹介する記事のMV

エルネック(ELNEC-J)コアカリキュラム指導者は、終末期を迎える患者さんに質の高い看護を提供する方法を学べる資格として、緩和ケアや高齢者看護に携わる看護師さんから注目されている資格です。

 

この記事では、看護師がエルネック(ELNEC-J)の指導者になるメリット受講の流れなどについて解説します。

 

 

エルネック(ELNEC-J)とは

エルネック(End-of-Life Nursing Education Consortium -Japan、ELNEC-Jコアカリキュラムは、終末期ケアを提供する看護師に必要な知識と技術を学ぶための教育プログラムです。

 

日本国内では、これまでに2600名以上がELNEC-Jの指導者の資格を取得しており、注目を集めています。

 

「終末期ケアをより専門的に学びたい」
「終末期ケアについて同僚や後輩への指導方法を身につけたい」
「終末期の患者さんやご家族に寄り添った看護を提供したい」
「院内や地域全体の終末期ケアの質向上に貢献したい」

 

など、終末期ケアのプロフェッショナルとして活躍したいと考えている看護師には、おすすめのプログラムです。

 

 

エルネック(ELNEC-J)の種類

ELNECが開発したプログラムの中には、終末期ケアに関する知識全般を学ぶELNEC-Jコアカリキュラムの他にも、「ELNEC-JPPC(小児緩和ケア)」「ELNEC-JCritical Care(急性期ケア)」「ELNEC-JG(老年期ケア)」といったものがあります。

 

またELNEC-Jコアカリキュラムも、「指導者養成プログラム」と「教育プログラム」の2つに分かれます。

 

ELNEC-Jコアカリキュラム指導者養成プログラム

ELNEC-Jコアカリキュラムを教育する指導者となるために必要なスキルと知識を学ぶプログラム

 

ELNEC-Jコアカリキュラム看護師教育プログラム

患者に質の高い終末期ケアを提供できるように知識・技術を習得する、看護師向けの教育プログラム。指導者養成プログラムを終えた指導者によって開催される。

 

本記事では終末期ケアについて、専門的に学び、指導者となることができる「ELNEC-Jコアカリキュラム指導者養成プログラム」について紹介します。

 

 

エルネック(ELNEC-J)コアカリキュラム指導者の役割

ELNEC-Jコアカリキュラム指導者は、終末期を迎える患者さんと、ご家族のニーズに合わせたケアができる実践者と位置付けられています。

 

また、目の前の患者さんだけでなく、終末期ケアに関わる看護師への教育・普及も役割の一つです。

 

日本は高齢化が進み、多死社会を迎えています。そのため、質の高い終末期ケアを提供できる人材がより多く求められています。

 

終末期ケアに関わるすべての看護師のケアのレベルを引き上げて、より多くの終末期の患者さんとご家族が、質の高いケアを受けられるようにすることが求められています。

 

 

エルネック(ELNEC-J)コアカリキュラム指導者になるメリット

ELNEC-Jコアカリキュラム指導者になるメリットとして、次のようなことが挙げられます。

 

エルネックを受講するメリットをまとめた図版。1,スキルアップ、2,周囲のメンバーとの連携を深められる、3,後輩や部下への効果的な指導ができる

 

1スキルアップにつながる

ELNEC-Jコアカリキュラム指導者になることは、終末期ケアに関するスキルアップにつながります。

 

プログラムでは、指導方法だけでなく、終末期ケアについての最新の知識と技術も習得できます。

 

プログラムはグループワークなども用意されており、実践的な内容になっています。

 

自身の業務に対する自信が深まり、患者さんやご家族からも、信頼のおける看護師として、より良い関係を築くことができるでしょう。

 

 

2周囲のメンバーとの連携を深められる

メンバーや多職種との連携が深まる点も指導者になるメリットです。

 

終末期ケアは痛みのコントロール、患者さんやご家族の意向の汲み取り、日常の生活援助などにおいて、医師やMSWなど多職種それぞれの専門知識を活かした連携が求められます。

 

ELNEC-Jコアカリキュラム指導者となれば、そうした多職種との連携方法も学ぶことができるため、患者の意向を正確に把握し、それを医師や他のスタッフに伝えることで、チーム全体で一貫したケアを提供できるでしょう。

 

 

3部下や後輩へ効果的な指導ができる

ELNEC-Jコアカリキュラム指導者となることで、部下や後輩へ効果的な指導ができるようになります。

 

患者さんとの関わり方に悩む後輩や同僚がいても、最新の専門的な知識を活用して指導することができるようになり、院内全体のスキルアップにつながります。

 

また、指導者としてELNEC-Jコアカリキュラム看護師教育プログラムを開催することができるようになるため、地域の終末期ケアの向上やELNEC-Jの普及活動に貢献できます。

 

 

エルネック(ELNEC-J)コアカリキュラム指導者になるには

ELNEC-Jコアカリキュラム指導者になるには、「ELNEC-Jコアカリキュラム指導者養成プログラム」を受講する必要があります。

 

受講資格や流れ、費用などについてご紹介します。

 

 

指導者養成プログラムの受講資格

看護師が、ELNEC-Jコアカリキュラム指導者養成プログラムに申請するためには、以下の条件を満たしている必要があります。

 

看護師の受講条件

  • 終末期ケアまたは緩和ケアに5年以上携わった経験がある
  • 終末期ケアまたは緩和ケアに関する教育を、約10時間以上実践した経験がある
  • 施設長か看護部長からの推薦を得ている
  • ELNEC-Jコアカリキュラム看護師教育プログラムを修了している

 

また、他にも同意しなければならない条件があります。詳しくは、日本緩和医療学会の公式サイトでご確認ください。

 

 

指導者養成プログラムの受講の流れ

指導者養成プログラムの受講の流れは、以下の通りです。

 

エルネック(ELNEC-J)コアカリキュラム指導者になるまでの流れを説明している図版

参考:日本緩和医療学会「第30回ELNEC-Jコアカリキュラム指導者養成プログラム(2024年度)

 

申し込みはプログラム本番の4カ月前に始まりますので、検討している方は早めに情報をチェックしましょう。

 

 

指導者養成プログラムの会場と費用

ELNEC-Jコアカリキュラム指導者養成プログラムは、Zoomを利用してオンラインで開催されるため、全国どこからでも参加可能です。

 

受講には、安定した通信環境と機材(パソコン、カメラ、マイク)が必要です。事前にZoomアプリをダウンロードしておき、通信環境をチェックしておきましょう。

 

ELNEC-Jコアカリキュラム指導者養成プログラムの費用は3万円ですが、日本緩和医療学会の会員であれば1万5000円です。 

 

 

エルネック(ELNEC-J)コアカリキュラム指導者養成プログラムの内容

プログラムでは、ELNEC-Jコアカリキュラムを教育する上で終末期ケアにおける看護の方法と、効果的な教育技法を学ぶことができます。

 

プログラムの詳細は一般向けには公開されていませんが、指導者になった後に開催することのできる「教育プログラム」に関しては以下のように公開されています。

 

  • 終末期ケアにおける看護
  • 痛みのマネジメント
  • 症状マネジメント
  • 終末期ケアにおける倫理的問題
  • 終末期ケアにおける文化への配慮
  • コミュニケーション:患者の意思決定を支えるために
  • 喪失・悲嘆・死別
  • 臨死期のケア
  • 高齢者の終末期ケア
  • 質の高い終末期ケアの達成

参考:日本緩和医療学会「ELNEC-Jについて

 

終末期の症状や看護技術、コミュニケーション方法などだけでなく、倫理や家族へのグリーフケアなど、幅広い内容を学ぶことができます。

 

また、指導者養成プログラムでは、座学だけでなくグループワークやロールプレイングがあり、実践的な学びが得られるようになっています。

 

 

まとめ

少子高齢化に伴い、看護師にはより質の高い終末期ケアを提供できることが求められてきています。

 

終末期ケアについて学び、指導者として貢献したいと考えている方は、ELNEC-Jコアカリキュラム看護師教育プログラムを受講してみてはいかがでしょうか?

 

執筆:看護roo!編集部

 

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