後輩への指導方法がわからない|現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル(25)

『現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル』より転載。

今回は「後輩への指導方法がわからない」というお悩みに答えます。

 

3年目になった看護師がプリセプターをすることになり、何をしたら良いかわからずパニックな様子のイラスト先輩看護師が3年目看護師に、看護師は看護が専門であり指導の専門家ではないから完璧でなくても大丈夫とアドバイスする様子のイラスト

 

「後輩と一緒に学ぶ」という意識で大丈夫

大前提として、看護師は看護の専門家ではありますが、指導の勉強はしていません。うまくできなくて当たり前なのです。


ただ、プリセプターは基本的にマンツーマンで指導をするため、「私がプリセプターなんだからしっかり教えなきゃ」と責任を感じる場面も多いかもしれません。

 

でも私は、プリセプターは基本的に「後輩と一緒に学ぶ」というスタンスで問題ないと思っています。

 

後輩に聞かれて自分も疑問に思うことは素直に「わからない」と伝え、先輩のところに一緒に聞きにいったり、一緒に調べて「こういうことだったんだね」とお互いに理解したり。

 

自分で教えることができなくても、それだけで十分な働きです。

 

むしろ、あいまいなことを教えてしまうほうがよくないことです。

 

「後輩のよいところを見つける」のも指導のひとつ

また、「後輩指導」というと、知識や精神論を教え諭すイメージも強いかもしれませんが、後輩のよいところを見つけて伸ばすというのも立派な指導です。

 

「ケアのよかった部分を伝える」「患者さんから感謝されたら一緒に喜ぶ」など、ささやかなことでかまいません。

 

そうすることで後輩の中に「もっと学びたい」「ほめられたことをもう一度しよう」という気持ちが自然と育つようになります。

 

指導者側になると成長を求めるあまり、つい「できていないこと」を強調してしまいがちです。

 

後輩側も緊張や自信のなさなどから、いつも以上に自分の短所や失敗に目がいき、どんどん負のループに陥ってしまいます。

 

指導方法がわからなくても、いいところを見つけることはできるはず。後輩と一緒に成長する、という意識で挑戦してみてください。

 

もっと教えてQ&A

私が教えているとき、後輩があまりメモをとりません。

 

自分に合う方法が他人にも合うとは限りません。後輩がそれで覚えることができているなら、そのままでいいのでは?

 

ひと口に「教え方」といっても、教える側と教えられる側、それぞれ千差万別ですから、いろいろと試行錯誤するしかないと私は思っています。

 

教える側は自分の経験をベースにして考えてしまいがちですが、少し立ち止まって、相手はどういう形がやりやすいのかを意識してみましょう。

 

メモをとることに必死になって内容が頭に入っていない子は、耳で覚えるほうが向いているかもしれないのです。

 

一度、「こんなやり方もあるよ」と伝えて、あとは本人の特性に合わせて指導するといいのではないでしょうか。

 

 

 

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プロフィール
かげプロフィール

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病棟看護師、保健師、呼吸療法認定士、終末期ケア専門士。

看護師・看護学生に向けたわかりやすいイラストでの医療知識の解説で、ファンを増やし続けている。著書に永岡書店『ホントは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖〜かげ看』、南江堂『かげさんのイラストで学ぶ 心電図と不整脈めも』など。

看護roo!では『看護師かげと白石の今週のモヤッと』を連載。

 

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