もし看護師が新型コロナに感染したら…「補償金」が上乗せされる、新たな支援制度って?|看護roo!ニュース

 

新型コロナに対応した医療者が感染した場合、20万円の補償金が上乗せで支払われる

 

という新しい支援制度が12月1日から始まります。補償の内容や条件をチェックしていきましょう。

 

4日間の休業で20万円、死亡補償は500万円

医療従事者を対象にした新しい支援制度(新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度)は

 

「業務が原因で新型コロナに感染したとして労災が認められた場合、通常の労災補償とは別に一時金を受け取れる

 

というもの。内容は「休業補償金」と「死亡補償金」の2つです。

 

新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度」を基に看護roo!編集部作成

 

 

新型コロナに感染して入院や自宅療養をするなどで4日以上、仕事を休んだ場合、通常の労災補償として「休業1日につき給料日額の80%」が給付されますが、それとは別に「20万円の一時金」が支払われることになります。

 

また、万が一、死亡した場合は500万円の一時金が遺族に支払われます。こちらも通常の労災補償(遺族補償年金など)とは別です。

 

 

補償を受ける条件は?補償の期間は?

この新しい支援制度の補償を受けるには、大きく2つの条件があります。

 

1.新型コロナへの感染が労災と認められる

 

まずは「業務が原因で新型コロナに感染した」と労災認定を受ける必要があります。

 

医療者の新型コロナ感染は、明らかにプライベートで感染したとわかる場合を除き、原則として労災と認められるので、職場などを通じて忘れずに手続きをすることがポイントになるでしょう。

 

2. 勤務する医療機関が支援制度に加入すること

 

今回の支援制度は、新型コロナ対策として期間限定で新たに作られるもので、医療機関が個別に加入手続きをする必要があります。個人の加入ではありません。

※病院、診療所、検査機関、訪問看護ステーション、介護医療院など。

 

新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度」を基に看護roo!編集部作成

 

申し込み・補償の期間も次の4つに分かれていて、それぞれの医療機関が地域の流行状況などを考慮して、どれか一つを選ぶ形です。

 

新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度」を基に看護roo!編集部作成

 

補償の対象になるのは、補償期間に発症したケースです。

 

たとえば、勤務先が②(2021年1月1日から補償期間)で加入した場合、2020年12月31日に発症した人は対象から外れてしまいます。

 

また、今回の支援制度は「派遣職員」は補償の対象外となっています。派遣会社はこの支援制度に加入できないためです。一方、医療機関に直接雇用されている非常勤・パート職員は対象となります。

 

 

加入するかなどは医療機関の判断

医療機関が負担する保険料は、職員1人あたり1000円です。

 

ただし、国の補助金や、日本医師会と日本看護協会に寄せられた寄付金が活用され、医師や看護師、准看護師など医療資格のある職員については、医療機関が負担する保険料は無料または1人あたり500円となります。

 

医療資格のある職員のみを対象として加入するか、事務スタッフなども含めて加入するかは、それぞれの医療機関の選択にまかされています。

 

つまり、補償の期間、対象となる職員の範囲、そもそも支援制度に加入するかどうかは医療機関次第…ということになり、現場の混乱も心配されます。

 

個人または労働組合などを通じて、

 

 

  • 勤務する医療機関が支援制度に加入しているか
  • 加入している場合、補償される期間・対象者はどうなっているか
  • もしも発症して補償対象になる場合、必要な手続きなどはきちんと職場から案内されるか

 

 

について勤務先に確認する必要があるかもしれません。

 

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染リスクと闘いながら対応する医療者には、経済面のサポートも不可欠です。「ただあるだけで使われない支援制度」とならないように、スムーズな運用が期待されます。

 

看護roo!編集部 烏美紀子(@karasumikiko

 

 

(参考)

新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度(日本医療機能評価機構)
新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度 案内リーフレット・PDF(日本看護協会)
「令和2年度新型コロナ対応医療機関労災給付上乗せ補償保険加入支援事業補助金」について(厚生労働省)

 

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