うまくアセスメントできなくてモヤモヤ|看護師かげと白石の今週のモヤッと(47)

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この連載では、総合病院で働く看護師のかげと中堅看護師の白石が、読者から寄せられた「看護の現場で感じるモヤモヤ」にお答えします。

 

みんなの「モヤッと」が「ピカッと」に変わりますように!

 

連載:看護師かげと白石の今週のモヤッと

Vol.47 うまくアセスメントできなくてモヤモヤ

アセスメントに苦戦する看護学生のイラスト

 


今回は、看護学生の方からのお悩みです。

 

 

最終学年なのに、アセスメントがうまくできません。

勉強して観察項目は事前に調べています。

でも、それを元に患者さんとの関わりの中で情報収集すること、得た情報をつなげること、そして患者さんの生活へと情報を落とし込んでいくことが苦手です。

 

どうすればアセスメントができる人になれますか?
ご助言を頂けると幸いです。

(麦芽コーヒーさん 看護学生)

 

相談者さんの気持ち、すごくわかる。
僕も学生の頃はアセスメントするのが苦手で…。

 

アセスメントって、実習中に先生や指導者さんに指導されやすいところだよね。


看護師にとって大事なスキルなんだけど、学生の頃はみんな悩むことも多いと思う。

 

看護師かげさんのアイコン

そうだね。
どうしたら良いか、一緒に考えてみよう!

 

 

完璧なアセスメントを求めなくても大丈夫

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「アセスメントができる人」かぁ…。

 

僕は「最終学年だから完璧にできなきゃいけない」とは思わないんだよね。


患者さんの個別性やそのときの状態にも影響されるし、教科書通りではないイレギュラーなことばかり起こるし。

 

ハッキリとした正解がないことが多いし、そもそも難易度が高いと思う。

 

アセスメントがうまくいくのは良いことだけど、今はまだ上手にできないことにあまり落ち込まなくても大丈夫だと思うよ。

 

私も同感。

看護師になってからも、看護に正解はないのかもって思うことよくあるし。


何がベストか考えたり、試行錯誤したり、同僚と相談したりしながら看護をしているからね。

実習はその練習みたいなものなのかも。

 

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うんうん。

学生のうちはアセスメントがうまくいかなくても、先生や指導者さんと振り返りをしたりして、いろんな看護の方法を学んでいけることが大事だと僕は思うよ。

 

 

「患者さんについて知ること」に集中してみる

看護師かげさんのアイコン

とは言え、今よりアセスメントができるようになりたいよね。

まずは、相談者さんが苦手とする「患者さんとの関わりからの情報収集」から考えてみよう。

 

これがなかなかうまく聞けないんだよね。

 

うんうん。
患者さんの生き方や生活習慣といった情報は、プライベートな内容で踏み込みにくかったり、逆にあれもこれもと質問攻めになっちゃったり…。

 

患者さんとの関わりの中で自然に情報収集するってムズカシイよね…!

 

看護師かげさんのアイコン

でも、学生の今、まず「患者さんを知ること」が大事だと思うんだよね。

 

自然に情報収集ができるのももちろん良いことだよ。

だけど、まだ学生で難しいと感じるうちは「関わりの中でうまく聞かなきゃ」って焦りすぎないで、「目の前の患者さんについて知る」ことに集中してみても良いんじゃないかな?

 

患者さんと会話する時間と情報収集をする時間は分けてみたらどうかな?


情報収集するときは、割り切って、観察項目に沿ってしっかり質問するのが良いかも!
たとえば、

 

「○○さんの事をもっと知って看護に活かしたいので、お聞きしたい質問があるんですけど、10分程お時間大丈夫ですか?」

 

って落ち着いて患者さんのことを知っていくのも関わりのひとつだと思う。

 

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その方法アリかも!
一番の目的は「患者さんの情報を看護につなげていくこと」だからね。

 

患者さんが「自分の看護を考えようとしているんだな」と思ってくれるように、趣旨をちゃんと説明して質問すれば、きっと答えてくれるんじゃないかな。

 

そうだね。
あ、でも患者さんが疲れるといけないから、質問攻めにしないように注意してね!

 

それから、実習中、周りの看護師がどんな感じで声をかけて情報収集しているか、よく観察してみると良いと思う。

 

自然な関わりから情報収集するためのヒントとか、見えてくるかも!

 

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そうだね。

情報収集ができる方法の引き出しも、少しずつ増やしていけると良いね!

 

 

アセスメントに行き詰まったら、先生に質問してみる


得た情報をつなげてアセスメントするのって、結構難しいんだよね。

 

行き詰まったり困ったときは、先生に相談するのはどうかな?
具体的にどうすれば良いかを聞いた方が学べるし、次のステップに進めるかもしれない。

 

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僕も実習中に結構つまずいてどうしたら良いかわからなくて、しんどかったことがあるんだよね…。

 

あのとき、どこがどうアセスメントができていないのか具体的に聞けていたら、いろいろ学べたのかなって今になって思うよ。

 

相談するときは、「ここまでは調べたんですけど、この情報をどうつなげていけば良いか分からなくて」みたいな聞き方をすると良いよね。

たとえば、


・この情報は看護問題になりそうだなと思っています。
・でも、この数値がどんな生活習慣から起こることなのか、根拠となることがわからなくて…。
とか。

 

つまづいたら先生のサポートを受けられると良いね。

 

看護師かげさんのアイコン

調べて勉強したつもりでも、疾患の理解が十分じゃないこともあるよね。


自分が理解しきれなかったことの発見ができることもあるから、つまずいたらサポートを受けられるといいね。

 

「アセスメントができない」って悩むのは、多くの学生が通る道。
私もそうだったし、ひとりじゃないよ。

 

アセスメントは経験を積むことで成長するものだから、頑張っていこうね!

 

 

今週のピカッと


☆完璧なアセスメントを求めなくても大丈夫

 

☆「患者さんについて知ること」に集中してみよう

 

☆アセスメントに行き詰まったら、先生に質問してみよう

 

 

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プロフィール

看護師のかげ(@877_727)

医療の勉強に役立つ(てほしい)絵や仕事でのほっこり話などをTwitterでつぶやいています。


10年以上病院で働いてきて、現在はいろんな場所で働いている看護師兼ライター。

最近は、後輩に飴ちゃんあげるおかん系看護師になりつつある。

 

イラスト/かげ

編集/木村さちこ(看護roo!編集部)

 

●書籍紹介

『ホントは看護が苦手だったかげさんの イラスト看護帖〜かげ看〜』

かげ 著、永岡書店

看護師かげさん著「ほんとは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖~かげ看~」の写影
 

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