災害現場における看護師の役割~イメージと実際のギャップ~|災害看護の仕事【3】

「災害看護」につきまとう“特別”なイメージ。そのイメージと実際のギャップを災害現場で活躍するナースが語ります。

(▶前回のお話

もっともっとやれるナースの力。災害現場における看護師の役割~イメージと実際のギャップ~

DMATで活躍するナースの千島さんが、災害看護をめざすナースへ伝えたいこと。それは「地味な仕事ですよ。」ということでした。

「災害時のナースって、避難所などで皆の役に立っていたり、あとはコード◯ルーのようなイメージがありますが。」と千島さんに質問すると、「実際、避難所はガランとしています。」と答えました。

「避難所にいる皆さんは、昼間は会社や自宅の片付けに行っているので、避難所には人がいません。また、普段より注意して行動されるのでケガ人もほとんど出ません。災害看護としていちばん多い仕事は『病院支援』です。」と千島さん。

千島さんは、続けて言います。「災害により患者さんは増える一方、病院そのものが損壊したり、スタッフ・物資が不足します。そのため、各病院へナースを派遣します。災害という特殊な環境ではありますが、要するに病院・外来業務を補うわけです。」

「急性期のケアや処置を行うことはあまりありません。その中で重要なのが、『調整能力』です。」そう千島さんから災害現場での看護師の仕事を聞き、私が感じていた災害看護に対するイメージとの違いに驚きました。

「どこに誰を配置するか、会議の順番、業務の優先順位をつけるなど、誰に相談したら問題が解決するか考えられる調整能力のあるナースは重宝します。」

さらに、「初対面の人や違う環境でも、円滑な人間関係を作れる人やなかなか会えない被災者から、ニーズを聞き出すスキルを持つコミュニケーション能力も大事です。」

また、「ストレスへの対応力も大切です。宿泊施設も十分でない慣れない環境に対応できる力が大切なんです。」とも言いました。

千島さんの話を聞いて、その能力が高いナースは病棟でも輝いていることに気がつきました。すると千島さんは、「根本は一緒です。」と答えました。「千島さんはどうですか?」と聞くと、千島さんは「私は、あまり『悩まない』『考え込まない』性格なので!」とニコニコ答えてくれました。

「もっと密に災害看護に取り組みたい人は…?」と質問すると、千島さんは、「各県に1ヶ所は必ずある『災害拠点病院』に勤める事ですね!」と答えました。

(最終更新日:2018/3/8)

【取材・マンガ】明(みん)

看護師・漫画家。沖縄県出身。大学卒業後、看護師の仕事の傍らマンガを描き始める。異世界の医療をファンタジックに描いたマンガ『LICHT-リヒト』1~3巻(小学館クリエイティブ)が好評発売中。趣味は合気道。

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