汚いコトバを使うと、心まで汚くなる |ナースのお悩み処方箋【22】

「汚いコトバを使うと、心まで汚くなる」

フリーのナースとして、様々な職場を渡り歩いてきて、気づいたことがあります。

 

ある職場は、仕事にやりがいを感じているスタッフが多く、雰囲気が明るくて、トラブルがあってもスムースに解決します。

一致団結している感じです。

 

またある職場は、些細な行き違いが大きなトラブルに発展してしまいます。

何もない時は明るい雰囲気でも、何かあると、途端にギスギスした雰囲気に変わってしまうんですね。

 

このふたつの職場の違いは、休憩時間の陰口・悪口の多さ。

陰口や悪口なんて、普段、意識せずに出てしまうものなのに、職場環境はこんなに違ってくるんです。

面白いですね。

 

亡くなった祖母が言っていたコトバがあります。

 

「汚いコトバを使うと、心まで汚くなる。

綺麗なコトバを使うと、心は綺麗になる」

 

非科学的で申し訳ないのですが、年寄りの戯言、と一笑に付すことができないようなチカラが、このコトバにはあるような気がします。

昔から、人が口にする言葉には『言霊(ことだま)』というものが宿っているとも言われます。

また、この言霊は感染するのだとか。

 

科学的ではないですが、経験則で言わせていただければ、この説を私は否定できません。

明らかにコトバの力で良くなった職場をたくさん見てきたからです。

 

「ここ、こうすると良くなると思いません?」

「他の病院では、こういうやり方でやってて、便利だなーって思ったんですよねー」

 

こんな風に、誰かが自分の職場を良くしたいと思い、それを口にすると、やがて賛同者が出て、少しずつその職場が良くなっていくのです。

不思議ですね。

 

どうせなら、楽しく仕事をしたいのが人のサガ。

仕事の環境そのものは変えられませんし、バイトナースができることなんて、たかが知れてはいます。

それでも、どうしたら楽しく仕事ができるかな、と工夫をすることくらいはできます。

 

否定的なコトバではなく、プラスのコトバを選ぶちょっとした気遣いだけで少しずつ雰囲気が変わっていくのを見ると、私自身も楽しいし、同僚が楽しそうに仕事をしているのを見ると、充実感を覚えます。

 

なるべく前向きなコトバを使って、綺麗な心で仕事をしたいものですね。

 

 


 【岡田久美】 兵庫県出身。看護書籍の編集とゲームシナリオライターを本業に、フリーの看護師として活躍中。いつでもどこでもどんなところでも勤務できるオールマイティな看護師を目指し、これまでの勤務職場は病院、クリニックなど30以上。

著書に「看護師の流した涙」(ぶんか社)がある。

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