看護師のストレス原因、1位は人間関係|看護師の本音アンケート
看護の仕事とストレスは、切っても切り離せないもので、誰もが抱えている問題ではないだろうか。
今回は、「何に一番ストレスを感じる?」という看護roo!のアンケート結果から、看護師のストレス原因を5位から順に紹介していこう。
【ライター:白石弓夏(看護師)】
5位 ワークライフバランスがとれない
- 委員会活動や勉強会など勤務外のことが多い(ゼロさん)
「毎日定時で帰れるし、業務中に委員会・勉強会のための時間も確保されている。そして、どんどん成長しながら、やりがいをもって働いている」
「休みの日は友人と出かけたり、趣味や習い事を満喫している」
――こんな生活、夢のまた夢。
「仕事もプライベートも充実!」と胸を張って言える看護師はどのくらいいるのだろう…。
どう考えても、生活の中で仕事の比重が大きい!大きすぎる!
「勤務時間中、多忙を極める」「残業が多い」「夜勤の負担がつらい」など、過酷なのが看護師の仕事。
休みの日は疲労回復のために、寝て終わるなんてこともざらにある。
さらに、委員会や病棟会で出勤することもあるというおまけつき。
新人や若い看護師は休みの日でも研修があったり、事前学習のレポートを書いたり…ああ…もうワークライフバランスってなに?
結局、私生活を犠牲にして成り立つもの、と割り切っている看護師も多いのではないだろうか…。
悲しい現実。
4位 お給料が少ないこと
- 仕事量に対して給料が低い(まいさん)
女性の仕事の中では高給与といわれているけれど、ちょっと待って!!厳密には夜勤手当が入ってのことだから!
基本給でいったら、超平均(むしろ平均以下?)だから!と声を大にして言いたい。
夜勤手当も医師の当直1回○万円(恐ろしくて明示できない)と比べると、雀の涙ほど。
看護師としての仕事量に見合っていないと感じている人は多い。
お給料が少なくても、有給休暇がしっかり取れる、業務の負担が少しでも減れば、また状況は違ってくるのだろうと思う。
3位 仕事の量が多いこと
- 委員会など、時間外の仕事量が多すぎる(みにさん)
- 一つ一つしっかり考えながら仕事したいですが、仕事量が多すぎて毎日こなすだけで精一杯です(ますさん)
とにかく看護師は「診療の補助」や「療養上の世話」の範囲が広すぎて「何でも屋」みたいになっている。
患者さんの生死にかかわる仕事として、常に緊張感をもって日勤も夜勤もこなしていかなくてはいけない。
一方で、「これは看護師でなくてもいいのでは?」と思ってしまうような業務や、もはや業務ではない雑用も多い。
看護師として働いていると、「患者さんのために」という使命感が先立って、業務の境界線があやふやになってしまうと感じる。
2位 仕事の責任が大きいこと
- とにかく大変(ねもちさん)
看護師は「仕事の責任=人の命を預かる」ということになる。
経験を積むと慣れてくる部分もあるが、リーダーや役職がつくと責任の種類が変わってくるだけ。
いつでも看護師のプレッシャーは底知れない。
特に夜勤では、日勤の受け持ち人数の倍ほどを受け持つため、単純に責任も倍になったような感覚だ。
しかし、そのストレスは、自分でどうにか軽減する努力はできる。
少しでも責任の大きさへの恐怖心を減らすためには、できることからスキルや経験を積んでいき、徐々に自信をつけていくこと…と励まされた新人の頃…。
「仕事の責任」と「自分の力量」、ストレスが溜まらないようにうまく折り合いをつけていくのは難しい。
1位 同僚・上司との人間関係
- 後輩の仕事のできなささにストレス(かつおさん)
- 威圧的な副看護師長は職場のすべてを仕切っている。機嫌により都合のいいように言ってくる。何度怒られたことか!!いい加減にしてほしい!!(BONさん)
- ご機嫌によって態度や対応が違うことは棚に上げられると、いくらじぶんが悪かった事でも何だかなぁ…という気持ちになる(はる☆さん)
- 常に気を配って先輩の顔色をうかがいながら仕事するのが大変(はなさん)
- 男の看護師が増えてきたといっても、まだまだ看護の現場は女の世界。まさに大奥。理不尽だと思っても、八つ当たりされても下っぱ女中は笑顔で働くのです。それが看護の現場(IUさん)
- 言われる方もそれなりの事をしてるのですが、注意を受けても逆ギレされたり、居ないところで悪口いわれたり、退職近い人がきちんと働いてくれなかったり(チャッキーさん)
- 自分と同世代の看護師や上司には何も言えないくせに若いスタッフのことをいちいちつついてくる主任看護師にほんとにストレスが溜まります!(ちーちゃんさん)
このコメント数の多さからしても、看護の世界の人間関係がいかに大変かがわかる。
看護師は仕事柄、せっかちで言い方がきつい人、ネチネチと陰湿な人が多いように感じる。
私自身もそうだが、「看護師になってから性格がきつくなった」と言われる人も多いのではないだろうか。
そんな性格の看護師が集まった現場、人間関係の難しさは計り知れない。
女性が多い職場、という要素もあるだろうが、こんなドロドロした世界は看護学校まではなかったように思う。
実際に働き始めると、これまで見てきた2位から5位のストレスにさらされて、性格がきつくなってしまうのだろうか…。
特に、先輩や上司に対しては思っていることをく口に出せず、我慢せねばならない場面がある。
一方、同僚に指摘したところで逆ギレされたり、後輩にはイライラさせられたり…。
看護師の人間関係において、ストレスの原因は、一向になくなることがない。
****
看護師の仕事はストレスと隣合わせ。
自分のことは自分が守るしかない。
そもそも、ストレスが当たり前になってしまい、気づかない看護師も多い。
まずは「いつも頑張っててえらい!」と自分を認めてあげてほしい。
いつも患者さんファースト、家族ファーストになってしまう看護師だが、日ごろからもっと自分自身のストレスケアのために、時間を使ってほしい。
ちなみに私は、ストレスが溜まりはじめるとヒトカラに行き、漫喫にこもり、好きなところに出かけるなどして、自分を取り戻している。
【イラスト:オゼキイサム(HP)】
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