新人看護師、一番ツラいのは「知識が足りないこと」|看護師の本音アンケート
「看護師1年目」は誰もが通った道。
中堅・ベテラン看護師の人たちも、1年目はつらかっただろうし、印象に残る出来事も多いだろう。
今回は、看護roo!の「1年目、何がツラい?」というアンケートを紹介。
今まさに新人看護師で、「ツラい」と感じている人。これを読んで「私だけじゃないんだ!」と少しでも元気になってもらえたらうれしい。
【ライター:白石弓夏(看護師)】
6位 人間関係
- 人間関係にすごく気を遣った。(えりなさん)
看護師の職場は、なぜ人間関係が悪いのか…。
考えられるのは、人手不足で常に多忙ということ!
加えて、看護師同士だけではなく、医師やコメディカルスタッフ、患者との人間関係でも悩みはつきない。
元々、命に関わる現場であり、誰もが神経質になりやすいことも、ギスギスした環境の一因かもしれない。
特に1年目は、目の前の業務に頭がいっぱいで、周囲のスタッフに気を遣う余裕がない。
そのため、「気が利かない」「愛想がない」など、思ってもみない印象を与えてしまい、攻撃されることもある。
そうすると、「先輩や周囲の人からどう思われているか」過剰に気にするようになり、さらにコミュニケーションがとりづらくなるという悪循環に陥る可能性も出てくる。
5位 勉強することが多すぎる
- 毎日多くの学びがありすぎて振り返りが間に合わない。(ゆずさん)
- 帰ったら、疲れて寝てしまう。課題がとにかく多くて追いつかない。(uraさん)
ただでさえ毎日の業務で疲弊しているのに、学習することが多すぎる。
看護学校であれだけ頑張ったのに、まだ勉強とレポートをやらなければいけない。
この苦痛はいつまで続くのだろうか…、と不安になる。
私が1年目のときは、そもそもなにから勉強すればいいのか分からなかった。
診療科の疾患を勉強していったら、「今日は○○の検査があるから検査の勉強をして」と言われる。
でも、採血データの正常値が答えられないと「採血データの勉強をして」と言われる…。
最初はパニックになるが、だんだんと「明日はこの患者を受け持つから、この疾患と検査、術式の予習…」「あと、今日わからなかったことの復習」と勉強する範囲が明確になってくる。
ただ、受け持ちの患者が複数いれば、この倍以上の勉強が待っている。
このつらい状況…。
でも、看護師10年目の先輩として言えるのは、「毎日勉強することの意味は、何年か経ったあとに気づくことが多い」ということ。
「あのときもっと勉強しておけばよかった~」と思っても、今では勉強しても頭に入りにくい…という、また違ったつらさがある。
4位 先輩が怖い
- ペアを組む先輩が怖すぎ、すごい威圧的な態度でなかなか話しかけられなかった。何をするにしても怖くて勉強しても不安で仕方なかった。(はなさん)
- 話しかけても、こちらを向いてくれない。パソコンを見ながら、返事だけする。怖すぎる。(りえさん)
- 40〜50代のベテランNsが多い部署ということもあり、誰に話しかけるのも怖かった。(あかりさん)
実習のときから、怖い看護師を見て覚悟していたとしても、就職した現場に怖い人がいるのはつらい。
「怖い先輩と夜勤が一緒になりませんように」と祈った人も多いだろう。
1年目は、自分1人では業務ができないので、教えてもらったり、相談したりする機会が多く、嫌でも話しかけなければならない。
1年目ならば仕方ないと割り切ってくれる人もいるが、そうでもない人もいる。
つらいとは思うが、怖い先輩は、ほとんどの職場に存在する。
さらに、1年目の仕事の効率の悪さが、相手をイラつかせてしまう原因になることも。
とにかく、信頼できる同僚や先輩を味方につけて、つらさを乗り切ってほしい。
3位 教えられたことが一度で覚えられない
- 1回言ったよねと言われることが怖くて、2回目が聞きにくい。(uraさん)
- 物覚えや要領が悪いと特にしんどいし、人間関係に響くように思います。(バルタン星人さん)
先輩から言われてプレッシャーに感じるセリフ「教えたことは1回で覚えて」「前に教えたからできるよね?」。
物品の場所など、シンプルなことならまだしも、処置方法などは、1回見学してメモをとっていても、「あれ?ここがうまくいかないな」「こっちの手はどうだったかな?」と、実際にやってみるとスムーズにいかないことが多い。
事前に練習できることならいいが、練習できないものもある。
先輩からすれば、「何度も同じことを教えたくない」「後輩になめられちゃいけない」と思って、厳しくするのだろう。
どんなに先輩が怖くても、患者さんのために間違ったことはできないので勇気を振り絞って聞く。
この場面は、誰もが経験することだろう。
2位 全部
- とりあえず、すべてが辛かったです^^;(てるさん)
「全部」という回答が2位にくるこの状況。
毎日がむしゃらに勉強して患者さんのケアをして、先輩や医師に怒られて、気を遣いまくり、家には寝るためだけに帰る。
全部がつらく、あっという間に1年過ぎるという感覚。
「1年目の記憶がない」と言っていた知り合いもいる。
つらくても、さまざまな経験ができて、絶対将来に生きてくると思って頑張るしかない。
同期や友人、家族との時間をできるだけ設けて、うまく息抜きをしつつ、乗り切ってほしい。
1位 知識が足りない
「知識が足りない」というのが1位にくること、この看護師の律儀さに泣けてくるのは私だけだろうか。
特に1年目は、注意されたり、怒られたりすると自分の知識不足と思うことが多い。
しかし、学校の勉強ができたからといって、うまく看護ができるかといわれるとそうでもない。
「正常」か「異常」かは見分けられても、きちんとアセスメントができなければ、肝心の次の行動にはつながらない。
次の行動で何をすればいいか、これは経験でしか培われない部分もあるのかもしれない。
道しるべとして、信頼できる先輩をみつけて、経験を積んでいってほしい。
つらくても、知識や技術のために努力したことは、決して裏切らないと思う。
***
1年目は誰しもつらくて苦しい時期。先輩たちのように仕事ができなくて当たり前。
仕事を覚えること、勉強することはもちろんだが、積極的に経験を積む機会をつくり、常に疑問をもつことは、さらに重要ではないかと思う。
一つひとつ丁寧に対応する、怒られても素直に受け止める。
こうした新人らしい姿がまわりの雰囲気も変えていく。
新人看護師の人たちには、この記事を読んで「みんな同じなんだ」と思ってもらい、どんどん前へ進んでほしい。
【イラスト:オゼキイサム(HP)】
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