「生きたい」を支える~緩和医療ナースNさん(1)|ナースに会ってきた【3】

今回より3回にわたって、緩和医療に携わる看護師さんのインタビューをお届けします。

 

『ナースに会ってきた』

 

vol.3 「生きたい」を支える

 

Nさん(30代)緩和医療や在宅看護をご経験した働くお母さんである。緩和医療は医療処置がなくて、ケアが中心です。今回はNさんに緩和医療の話を伺います。

患者さんは終末期で、化学療法や点滴もできなくなった状態。「看護がどれだけその人の生命をつなぐか、看護師の力が発揮できるところです」とNさん。

Nさんの「印象に残っている患者さん」は初めての患者さん。Nさんにしか面倒を見させませんでした。その方からは「生きたい」という思いを受け取ったそうです。患者さんが書いた日記を「読んで」と頼まれていたそうです。

病室に行くと毎日日記を渡され、音読をする日々。5歳のとき…10歳のとき…

患者さんは自分の人生の日記を目をつむって静かに聞いていたそうです。誰かと一緒に自分の人生を振り返る…それもケアやセラピーだったりするんですね

その方の亡くなるときは、誰にも看取られず、1人で亡くなったそうです。静かな方だったから、その人らしいと感じたそうです。Nさんがそのとき涙を流したかは次回のお話で。

 

【著者プロフィール】

水谷緑(みずたに・みどり)

水谷緑

著書は「コミュ障は治らなくても大丈夫」(吉田尚記、水谷緑)「まどか26歳、研修医やってます!」「あたふた研修医やってます。」(KADOKAWA) 他。小学館「いぬまみれ」にて犬漫画「ワンジェーシー」連載。

HP:http://mizutanimidori.com/

 

 

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