ナースのお悩み処方箋【13】もう失敗は嫌!デキるナースになれるのはいつ?

「早く歩こうが、ゆっくり歩こうが、目的地があるならいずれ辿り着ける」

看護師専用Webマガジン ステキナース研究所 | ナースのお悩み処方箋【13】もう失敗は嫌! デキるナースになれるのは、いつ?


あなたは、どんな看護師になりたいですか?
なりたい具体像があるのなら、それに向かって進んでいけばいいんです。

大きなものじゃなくても大丈夫。
記録の上手な看護師。
採血の上手な看護師。
そんな感じでもOK。

そういう『目標』があって、がむしゃらに頑張っている人も多いでしょう。

私の場合は、採血でした。
実は私、新人の頃、採血がド下手だったんです。
生意気だったので、先輩看護師に腕を貸してもらえず、自分の足で練習したこともあります。
何とか上手になりたいと、本当にがむしゃらでした。

大学病院の採血室に転職する、なんていう荒業も使いました。
でも、やっぱり最初は失敗だらけ。
一朝一夕で上手になれるわけではないと、頭ではわかっていても、患者さんに痛い思いをさせて、採血の上手な先輩看護師に代わってもらうのは、やっぱり悔しくて。

早く上手くなりたい!とそればかり考えて、焦っていました。
2回刺してダメだったら上手な人に代わってもらうのがルールだったのに、代わりたくなくて、とにかくその患者さんで成功したくて、4回刺してしまったこともあります。
後で、「刺すところがなくなってるでしょ!!」と叱られましたが。

……若かったんですね。
自分が上達する時間を待てなかったんです。

そんな時、その採血上手な先輩看護師さんが、お茶を飲みながらポツリと言ったんです。
「早よ歩こうが、ちまちま歩こうが、歩いとるんやったら、その内、どっか辿り着けるやろ」と。

「ちまちましか歩かれへんのやったら、風景でも楽しみながら歩き。
目的地があるんやったら、寄り道せん分、ちっとは早ぅ辿り着けるはずや」

ある意味、突き放したようなコトバは、私の中にスッと入ってきました。

別に、上達に期限なんかないのです。
あるのは、私の自己満足くらいで。

達成する!と決めた目標があるなら、がむしゃらにそれに向かっていけばいいだけ。
開き直って、患者さんに叱られながらでも、ゆっくり上達していけばいい、ここにいる限り、毎日採血するんだから……と思ったら、焦る気持ちが、スゥッと引いていくような気がしました。
そうやって淡々と、確実にひとりひとりの採血を成功させていく、という気持ちで仕事に向かっていたら、ある日、いつの間にか上達している自分に気付いたんです。

ああ、私、焦るあまりに、余裕がなくなっていたんだなぁと反省しました。

歩く速度は人それぞれ。
歩き方を変えてみる、歩く道を変えてみる、そして――開き直ってみる。

それでいいのかもしれない。
最近、つくづくそう思っています。

 

 


 【岡田久美】 兵庫県出身。看護書籍の編集とゲームシナリオライターを本業に、フリーの看護師として活躍中。いつでもどこでもどんなところでも勤務できるオールマイティな看護師を目指し、これまでの勤務職場は病院、クリニックなど30以上。

著書に「看護師の流した涙」(ぶんか社)がある。

SNSシェア

コメント

0/100

キャリア・働き方トップへ

掲示板でいま話題

他の話題を見る

アンケート受付中

他の本音アンケートを見る

今日の看護クイズ

本日の問題

◆救急・集中治療の問題◆下記の動脈血液ガス分析結果から考えられる病態はどれでしょうか?
pH:↓(低下)、PaCO2:変化なし、HCO3-:↓(低下)

  1. 代謝性アシドーシス
  2. 呼吸性アシドーシス
  3. 代謝性アルカローシス
  4. 呼吸性アルカローシス

10459人が挑戦!

解答してポイントをGET

ナースの給料明細

8984人の年収・手当公開中!

給料明細を検索