「私はどこの手術をしたの?」|看護師絵日記

看護師絵日記

「私はどこの手術をしたの?」

手術が終わった患者さん。

初めての歩行介助をすることになった。

 

点滴棒につかまってゆっくり歩く。

私は背中に手を添え並んで歩く。

 

初回歩行、ふらつきなし。

 

「手術がんばりましたね」と声をかけると

「そうだねぇ、がんばったみたいだね」

と他人ごと。

 

 

3歩くらい歩くと立ち止まって

「自分はどこの手術をしたの?傷の場所に何があったの?」

と傷をおさえながら振り返った。

 

私は何の手術をしたの?

 

手術をする前は主治医の先生をはじめスタッフと患者さん、患者さんの家族で集まって

病気の状態や手術の内容などについて話し合い(インフォームドコンセント)を行う。

 

その患者さんももちろん、手術前に家族と一緒にICを行っている。

 

聞くと

「説明はあった。けれど聞いたら怖くなっちゃうから頭に入れてない。

どこか悪いところがあって手術するのだけ分かる。

でも、くわしいことを知るのが怖い。

知ると手術をしたくなくなると思ったんだ。」

と言われた。

 

 

「確かに知ると怖くなりますよね。

けれども知らないと知らない漠然とした怖さがあるなと私は思うのです」

 

 

知らなくても了承を得ることができれば手術はできる。

患者さんはまだ、手術でできた傷口を見ていない。

 

 

治療を受ける患者さんが知りたいこと、

医療者が知らせるべきことはイコールではない。

 

知らない漠然とした怖さ

知ってしまった具体的な怖さ

 

人によって不安や恐怖を感じる事柄はちがう。

 

看護師として、何を伝えるべきなのだろうか。

 

 

【かげ】Twitter

総合病院で働き、絵を描く看護師です。医療の勉強に役立つ(てほしい)絵や仕事でのほっこり話などをTwitterでつぶやいています。

SNSシェア

コメント

0/100

キャリア・働き方トップへ

掲示板でいま話題

他の話題を見る

アンケート受付中

他の本音アンケートを見る

今日の看護クイズ

本日の問題

◆整形外科の問題◆腓骨神経麻痺の予防や早期発見のための看護で適切なものはどれでしょうか?

  1. 手術後、患側下肢に弾性ストッキングを着用する
  2. 下肢が外旋位にならないように、肢位を調整する
  3. 第4趾と第5趾間の知覚異常の有無を観察する
  4. 足趾、足関節運動の必要性を説明すれば、運動が可能かは確認しなくてよい

1266人が挑戦!

解答してポイントをGET

ナースの給料明細

8979人の年収・手当公開中!

給料明細を検索