准看護師獲得PR合戦がスタート?四病協も看護協会も准看にラブコール

 

准看護師が正看護師になるための修業年限が7年に短縮されるなど、准看護師を取り巻く環境が大きく変わりつつあります。

 

そうした中、四病院団体協議会(四病協)による「日本准看護師連絡協議会」が新たに発足したほか、看護協会が奨学金制度や准看向けの研修会を企画するなど、“准看護師獲得”に向けてのPR戦ともいえる状況が白熱しています。

 

四病協とは、日本精神科病院協会(日精協)、日本医療法人協会、日本病院会、全日本病院協会の4つの病院団体の集まりです。

 

日本准看護師連絡協議会は、日精協が主導する形で発足が決まり、今年3月には設立総会が開かれました。

 

全看護師の2割を占める准看護師

准看護師の就労者数はおよそ34万人。就労している全看護職142万人のうち2割強を占めています。

 

一方で看護師の専門性が高まり、医療におけるニーズが高度化するにしたがって、准看護師の数は減少傾向にあります。

 

また、既存の研修会は正看護師を対象としたものが大半で、准看護師は研修の機会が少ないことも指摘されています。

 

そこでこうした問題を解決し、准看護師のさらなる活用を図ることを目的に、同協議会は設立されました。

 

協議会の活動目標は主に次の5点です。

 

・准看護師の会員登録および教育研修体制の構築

・准看護師が看護師を目指すことを支援

・准看護師の意見を集約し、社会的地位を向上

・准看護師養成の環境を改善、強化

・潜在准看護師の再就職を支援

 

 

医師会とも協力体制

准看護師の生涯研修を主な目的として、2016年度中には准看護師を対象とした、協議会独自の研修会も実施するとしています。

 

協議会の設立に当たっては、日本医師会も賛同の意向を示している模様です。関係者150人が参加した設立総会には、日本医師会からも来賓が出席し、祝辞を述べました。

 

また、元厚生労働大臣の尾辻秀久議員や自民党「地域を支える看護職員養成促進議員連盟」事務局長の赤枝恒雄議員なども来賓に名を連ねました。

 

 

看護協会も准看護師にラブコール

こうした動きに対して日本看護協会では、従来からの「看護師資格の一本化」を掲げ、真っ向から反対。正看護師に比べて看護協会への入会率が低い准看護師に向けて、一層のPRを展開しています。

 

例えば今年2月の看護協会ニュースでは、「准看護師スキルアップ特集」を企画。県の補助金を受けて年間通した「准看護師研修」を企画した大分県看護協会の活動などを取り上げています。

 

月に1回、年12回を予定して企画された大分県の研修会には、初回で100人を超える准看護師から問い合わせがあり、そのうち6割が非会員ということです。

 

看護協会によれば、准看護師が系統だった研修を受ける機会を得ることで、「エビデンスに基づいた看護を実践するのに役立つ」などと評価されているということです。

 

マンパワー不足が解消されない中で、今後さらなる“准看護師獲得合戦”ともいえる状況が加熱しそうです。

 

准看護師のキャリアアップが歓迎すべきなのは間違いありません。ですがその議論の中には、准看・正看を含めた看護師全体の職能向上、働きやすさの改善がなければ本末転倒といえるでしょう。

 

【ライター:横井かずえ】

 

(参考)日本准看護師連絡協議会

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