島根大で「超高齢看護学」博士課程を開設 社会人が学べる環境も

【ナース知っ得ニュース 2015/9/9】

 

85歳以上の「超高齢者」への医療や看護の在り方が見直される中、島根大学では、超高齢者への看護に特化した「超高齢看護学」の医学部大学院博士後期課程が2016年より開設されます。

 

島大で「超高齢者」看護学 全国初、16年度から博士課程(YOMIURI ONLINE)

 

全国初の博士課程「超高齢者」の看護学とは?

島根大で2016年度4月より開講されることになった「超高齢看護学」の博士課程は、入学定員2人。このたび、文部科学省の設置許可を受けました。

 

一般的に「高齢者」は65歳以上の人を指しますが、その中でも年齢によって身体や精神の変化があり、世代に応じた医療や看護が必要になります。そのため老年医学では、65歳から74歳までを「前期高齢者」、75歳から84歳までを「後期高齢者」、85歳以上を「超高齢者」と呼び区別します。

急速に高齢化が進む現在、とくに後期高齢者・超高齢者への適切な医療・看護の提供は重要な課題です。

 

「超高齢看護学」の博士課程では、超高齢者に特徴的な症状への看護理論や技術の研究のほか、在宅医療における看護、子どもと高齢者とのかかわり方などのさまざまな研究が想定されています。

 

「高齢化先進県」の島根県 博士課程設置の背景とは?

島根県の2014年の高齢化率は全国第3位の31.8%。85歳以上の人口はとくに増加しており、県内人口に占める割合は2005年の3.9%から2014年には6.2%にまで上がっています。

 

超高齢化地域として、高齢者の看護レベル向上を目指す同県では、専門科育成を担う教育者としての研究者を養成するために、「超高齢看護学」の博士後期課程を設置しました。

 

すでに島根大の大学院では、2003年度には看護学系の修士課程を設置しており、これまで高齢者看護学や母子看護学などを含めた7コースで113人が修了。さらに、同大学の医学部では、修士課程で日本老年看護学会認定の「老人看護専門看護師」や、高齢者看護学専攻コースでの専門家の養成を行ってきました。

 

高齢者看護やターミナルなどに興味のある幅広い層にも間口が広げられている

この「超高齢看護学」の博士修士課程は、今年10月中旬に募集要項が発表され、2016年2月に入試が実施される予定になっています。

 

基本的に3年間の修学となっていますが、すでに看護師として働いている社会人でも働きながら学べるよう、最長6年間の長期履修も認められています。また、夜間や土日の開講も計画されており、向上心があり、高齢者看護やターミナルなどに興味のある幅広い層にも間口が広げられています。

 

(参考)
島根大学 平成28年4月医学系研究科看護学専攻に博士後期課程設置

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