最終更新日 2018/05/14

赤沈

赤沈とは・・・

赤沈(せきちん)とは赤血球沈降速度(blood sedimentation)のことで、赤血球が試薬内を沈んでいく速度をみる血液検査の1つである。ESR(erythrocyte sedimentation rate)ともいう。

 

原理

赤血球の表面はマイナスに荷電している。そこにグロブリンやフィブリノゲンなどのプラスに荷電している物質が血液中に多くなっていれば、赤血球同士はプラス荷電している物質を介して結合、凝集しやすくなるので、赤沈は亢進することになる。逆にマイナスに荷電しているアルブミンや胆汁酸などが多ければ、赤血球同士はマイナス荷電に邪魔されて結合、凝集が阻害されるので、赤沈は遅延することになる。

 

異常値の場合に疑われる疾患

赤沈が亢進している場合には、急性炎症、貧血妊娠多発性骨髄腫、慢性甲状腺炎、原発性マクログロブリン血症、高フィブリノゲン血症、肝硬変、白血病、ネフローゼ症候群などが鑑別疾患として考えられる。また、赤沈が遅延している場合には赤血球増加症や低フィブリノゲン血症、播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation syndrome ;DIC)などが鑑別疾患となる。

 

基準値

赤沈の1時間値の基準値は、男性で10mm以下、女性で15~20mm以下とされている。また2時間値の基準値は、男性で25mm以下、女性で40mm以下とされている。

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