最終更新日 2019/07/29

エンゼルケア

エンゼルケアとは・・・

エンゼルケア(えんぜるけあ)とは、死化粧、死後処置のことである。エンゼルメイクとも言われる。死者を、人生の最期にふさわしい姿に整えるため、化粧を施したり、闘病の跡や傷口をカバーしたりすること。死者の尊厳を守る処置であるとともに、残された家族のグリーフワークの1つとして重視されつつある。

 

近年では病院で闘病の末に亡くなることが多く、元気な頃の容貌から著しく変化しているケースが少なくない。また、長いあいだ入浴ができなかったり、着衣に汚れがあったりして清潔さを損なっていることもある。そのような場合、エンゼルケアの意義は大きくなる。

 

さらに、エンゼルケアには遺族の心のケアとしても重要である。遺族にもケアを行ってもらうことで「自分の手で最後のケアをしてあげられた」という納得感や満足感が、遺族の立ち直りにとって大事なプロセスになるからである。

 

一方、エンゼルケアは感染症予防の役割ももつ。死者の体液や傷口などから発生した病原体が遺族や他の入院患者に感染するのを防ぐためにもエンゼルケアは必要である(現在、医療機関では、スタンダードプリコーションに基づく厳しい感染症予防策の実施が求められている)。

執筆: 永澤成人

東京慈恵会医科大学医学部 看護学科老年看護学助教

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