最終更新日 2019/05/14

断続性ラ音

断続性ラ音とは・・・

断続性ラ音(だんぞくせいらおん、discontinuous sound)とは、持続時間の短い断続的で破裂的な非楽音様ラ音をいう。副雑音の一つである。

 

副雑音:呼吸運動に伴って生じる異常呼吸音。副雑音のうち肺や気道から発生するものをラ音と呼び、連続性ラ音(乾性ラ音)と断続性ラ音(湿性ラ音)がある。その他として肺外から発生する胸膜摩擦音がある。 

 

種類

水泡音:「coarse crackle」(粗い断続性副雑音)

プツプツあるいはポコポコという低調で粗く、一般に吸気初期より出現するが、呼気にも認められる。気道内分泌物の多い部位を空気が通過する際に生じる。

 

代表的な疾患として、気管支拡張症やびまん性汎細気管支炎、気管支肺炎などがある。 

 

捻髪音:「fine crackle」(細かい断続性副雑音)

パリパリあるいはチリチリと髪を耳元で捻るような音で、水泡音より高調で、細かく数多く断続し、吸気の途中あるいは後半に聞こえる。呼気ではほとんど聞かれない。拘束性肺疾患などで虚脱した細気管支や肺胞が吸気時に空気が通過し、膨らむときに鳴る音とされる。気道内の貯留物と無関係なため、払いしても消失しない。

 

代表的な疾患として、間質性肺炎、肺線維症などがある。

執筆: 江角 亮

三重大学医学部附属病院 救命救急センター医員

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