腹膜炎とは・・・
腹膜炎(ふくまくえん、peritonitis)とは、無菌の腹腔内に、何らかの要因によって細菌感染が起こったり、化学的刺激が加わったりすることで起こる腹膜の炎症性疾患である。急性腹膜炎、慢性腹膜炎、癌性腹膜炎に分類される。
急性腹膜炎
急性腹膜炎は、消化管穿孔や臓器の炎症、外傷などが原因で起こる。激しい腹痛、発熱などの症状がみられ、壁側腹膜に炎症が及ぶため、腹部全体の圧痛や筋性防御(腹壁が反射的に緊張すること)、反跳痛(ブルンベルグ徴候)、腹部板状硬などを認める。
慢性腹膜炎
慢性腹膜炎は、結核性腹膜炎や腹膜透析などが原因で起こる。慢性的な腹痛や腹水の貯留、発熱、炎症反応の上昇を認めることがある。
癌性腹膜炎
癌性腹膜炎は、がん細胞の腹膜播種が原因で起こる。発症すると、腹水貯留を来す。胃がんの再発形式(再発を起こす部位)としては最多である。胃がんの他にも大腸がん、膵がん、卵巣がんなどに伴って発生することが多い。