ERとは・・・
ER(いーあーる、emergency room;ER)は救急室、あるいは救急外来などのように、初期治療を行うための部屋。
しかし、近年、従来の一次・二次・三次救急医療に対して、ER型救急医療が注目されるようになり、「ER」がER型救急医療の意味に使用されることが多くなった。
ER型救急医療は北米型救急システムのことである。基本的に全ての救急患者に対応する救急初期診療型で、ERで働くERドクター(ER専門医)は重症度、傷病の種類、年齢に関係なく、すべての救急患者の診療を行う。ER医は初期診療後、入院が必要な患者は全てその専門科にコンサルトを行い、入院患者や手術は基本的には専門家に引き継ぐことになる。
また、walk inの患者にはトリアージナースがトリアージを行い、緊急度を判断する。緊急度が高いと判断されれば、救急車で来院した患者同様に、緊急にER医の診療を受ける。
わが国では、患者の重症度に応じて、一次救急・二次救急・三次救急から成る救急医療体制が構築されてきた。しかし、そうした従来の体制は、医療機関の効率的な利用という利点がある一方、患者自身や救急隊による病院前(プレホスピタル)での病態評価・重症度評価に限界がある。
重症度判断は医師にとっても容易ではなく、一見、軽症のようでも実は重症である場合や、その逆も珍しくない。そうした点において、重症度によって受け入れ患者を限定せず、救急医がFirst Doctorとして個々の患者に対応するER 型救急医療に期待が寄せられている。
ちなみに、1990年代にアメリカで制作されたドラマ『ER 緊急救命室』(原題はER)が日本で放映されだして以降、各施設の救急部門はERと呼ばれ始めた。
ドラマ内のERは北米型救急システムであるが、わが国の場合、この北米型救急システム以外にも、三次救急に特化して重症患者のみ外来から退院まで対応する救命型、各科専門医が救急外来で診療にあたり、そのまま主治医となる各科相乗り型などのシステムを採用している施設もある。