鉄分とは・・・
鉄分(てつぶん、iron;Fe)とは、生物に必須な微量元素(微量元素:生体に必要不可欠な元素のうち、酸素、炭素、水素、窒素の4つの主要構成元素を除いたものの総称)である。
一般的な1日の食事には約10mgの鉄分が含まれており、このうち8~10%が体内へ吸収される。そのため1日に失う約1~1.5mgの鉄分は、通常食品から吸収することができるが、月経中の女性は通常の1.5倍、妊娠・授乳時や成長期の子どもは通常の2倍の鉄分が必要となる。
体内での役割
成人男性は50mg/kg、成人女性は35mg/kgの鉄分を体内に持ち、そのうちの約2/3はヘモグロビンの構成成分として用いられている。残りの1/3のうちほとんどは、フェリチンやヘモジデリンといった貯蔵鉄として、脾臓、骨髄、肝臓中に含まれる。その他のわずかな鉄分は、ヘム鉄や筋肉内のミオグロビン鉄として利用される。
鉄欠乏
ダイエットや偏食による食物中からの鉄摂取不足や出血による鉄の喪失、吸収障害、鉄需要の増加など、鉄が欠乏すると鉄欠乏性貧血の原因となる。
鉄欠乏性貧血の食事療法では、豚や鶏のレバー、大豆や豆乳などの豆類、海藻類など鉄分を多く含む食物を摂取することが有効である。
鉄過剰
鉄過剰になると肝障害を来すことがあるため、過剰摂取にも注意が必要である。