C-ペプチドとは・・・
C-ペプチド(しーぺぷちど、C-peptide)とは、膵β細胞で合成されるインスリンの前駆物質であるプロインスリンが分解される際に生成される物質である。C-ペプチドには生理活性がなく、代謝経路がインスリンとは異なるため、インスリン分泌能の評価に利用される。プロインスリンからインスリンとC-ペプチドは1分子ずつ生成される。
利用方法
C-ペプチドは、インスリンに比べて肝臓での分解を受けにくいため、インスリン分泌能の評価に利用できる。ただし、C-ペプチドの大部分は腎臓で排泄されるため、腎機能障害者では血中C-ペプチドが高めになる。
糖尿病患者では、尿中や血清のC-ペプチドを測定することでインスリン治療が必要かどうか判断できる。24時間の尿中C-ペプチドが20μg/日以下や、空腹時血中C-ペプチドが0.5ng/mL以下である場合は、インスリンの分泌能が過度に低下しているため、インスリン治療が必要となる。一方、低血糖の場合、生体内で産生される内因性のインスリンと、糖尿病治療などで使用されているインスリン注射(外因性)の要因を区別する必要がある。しかし、血中のインスリン値は内因性、外因性が区別されずに測定されてしまう。そこで、生体内でインスリンと1分子ずつ対応しているC-ペプチドを測定することで、内因性インスリンのみを推定することができる。また、インスリン抗体陽性の患者では、インスリンを正しく測定できないため、C-ペプチドを測定する。
判別することのできる疾患
減少する疾患:1型糖尿病、下垂体前葉機能低下症
上昇する疾患:インスリノーマ、高プロインスリン血症、インスリン自己免疫症候群、腎機能障害