最終更新日 2018/07/03

アジスロマイシン

アジスロマイシンとは・・・

アジスロマイシン(あじすろまいしん、azithromycin)とは、15員環マクロライド系抗生物質に属する抗菌薬である。日本における商品名はジスロマック®である。

 

細菌のタンパク合成を阻害することによって効果を発揮する。ヒトのリボソームと、細菌のリボゾームとは構造が異なっているので、ヒトのタンパク合成は阻害されない。この作用機序は菌の増殖を抑制する作用であり、静菌的と表現される。

 

細胞壁を持たないリケッチア、クラミジア、マイコプラズマといった細胞内寄生菌に対する治療薬でよく使用される。最近では免疫調整作用があるとされ、重症市中肺炎に対してβラクタム系抗菌薬と併用を推奨することがATS/IDSAの市中肺炎診療ガイドラインで記載されている。
有名な副作用としてはQT延長が報告されており、既往歴家族歴の確認と、心電図変化に注意が必要である。

執筆: 桑原佑典

東京都立墨東病院 救命救急センター

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