ひきこもりとは・・・
ひきこもりとは、さまざまな要因の結果として、社会的参加(義務教育を含む就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、6か月以上にわたって家庭にとどまり続けている状態、と厚生労働省にて定義される。
背景には、確定診断がなされる前の精神障害、例えば、統合失調症や気分障害広汎性発達障害、精神発達遅延、パーソナリティー障害、適応障害などが含まれる場合があり、適切な診断や薬物的介入、自立支援のための社会福祉による支援も必要である。
日本では、平成21年から「ひきこもり地域支援センター」が開設され、平成25年からはひきこもりサポーター養成研修・派遣事業が開始されている。ひきこもり状態にある本人や家族が地域の中でどこへ相談したらよいかを明確にし、適切な支援へつなぐことを目的とする事業である。
10代の思春期と呼ばれる時期は、ひきこもりに親和性の高い時期といえる。思春期には、それまでの社会との関わりに変化が生じ、自己の独立性や自律性、他者との関わり、批判、他者からの視線などへ過敏になり、これらに対する不安や脆弱性も高まる。この社会的関係性の変化に適応しながら、自己愛との折り合いをつけ、うまく適応できなければ、自己の安全を容易に保障される家庭内へとどまることとなる。