最終更新日 2018/03/02

ラクトフェリン

ラクトフェリンとは・・・

ラクトフェリン(らくとふぇりん、lactoferrin)とは、抗微生物活性、ビフィズス菌増殖作用、鉄吸収調節作用、細胞増殖調節作用、抗炎症作用、免疫調節作用など多彩な生理機能を持つ分子量約8万の鉄結合性糖タンパク質である。

 

ヒト好中球の二次穎粒および母乳血漿(けっしょう)、唾液、涙などの分泌物に含まれる。1939年に「レッド・プロテイン」として牛乳の乳清分画から発見された。

 

ラクトフェリンの鉄結合力は、血液中での鉄輸送体として働くトランスフェリンに比べて約300 倍も強いことが知られている。

 

ラクトフェリンは哺乳動物の乳中に含まれている。哺乳類の種類によって濃度は異なっており、ヒトが最も高い濃度となる。初乳中(分娩後数日間に分泌される乳汁)には高濃度に分泌されており、出産直後の免疫機能が未熟な乳児の微生物感染防御に重要な役割を果たしていると考えられている。母乳が人工乳に優る大きな点の一つである。

 

ラクトフェリンの生理機能は、抗微生物活性、ビフィズス菌増殖作用、鉄吸収調節作用、細胞増殖調節作用、抗炎症作用、免疫調節作用など多彩である。

執筆: 佐々木 朗

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター小児救急フェロー

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