最終更新日 2018/02/06

急性骨髄性白血病未分化型

急性骨髄性白血病未分化型とは・・・

急性骨髄性白血病未分化型(きゅうせいこつずいせいはっけつびょうみぶんかがた)とは、急性骨髄性白血病の一病型である。

 

急性白血病は骨髄系の未熟な細胞が増加する「急性骨髄性白血病(AML)」とリンパ系の未熟な細胞が増加する「急性リンパ性白血病(ALL)」の2種類に分類される。

 

AMLはさらに、増加している細胞の種類や形態、遺伝子の異常によって分類され、分類法はWHO分類とFAB分類がある。WHO分類は染色体や遺伝子の異常を重視した分類で、FAB分類は増加している細胞の形態学的な特徴を重視した分類である。

 

急性骨髄性白血病未分化型はWHO分類で用いられる表現で、FAB分類ではAML M1に相当する。骨髄中の非赤芽球系細胞の90%以上を成熟傾向のない骨髄芽球が占め、骨髄芽球はペルオキシダーゼ染色陽性である。特徴的な染色体や遺伝子の異常は認めない。この病型はAML全体の約10%を占め、40~50歳代で発症することが多い。骨髄芽球の増加により正常な造血ができなくなり、貧血血小板好中球減少を認める。

 

AMLの治療は治療強度を高めた化学療法が基本的には実施され、化学療法のみでは長期生存が期待できない場合、「同種造血幹細胞移植」が適応となる。治療の適応は年齢や臓器機能、全身状態によって判断する。強力な化学療法が困難な症例では、治療強度を弱めた治療や輸血療法などの対症療法を行う。

執筆: 河村俊邦

防衛医科大学校病院 血液内科

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