DESIGN®とは・・・
DESIGN®(デザイン)とは、日本褥瘡学会が2002年に提唱した、褥瘡の治癒過程を判定するツールのことである。悪化途上にある急性期には使用しないことを原則としている。
日常の簡便な評価のための重症度分類用、詳細に治療過程が示される経過評価用の2つがある。
重症度分類では各項目を軽度と重度に区分し、軽度をアルファベットの小文字、重度をアルファベットの大文字で表記する。
経過評価用では各項目を細分化してスコア化し、重症度が高いほど高得点になる(0〜28点)。評価項目はDepth(深さ)、Exudate(滲出液)、Size(大きさ)、Inflammation/Infection(炎症/感染)、Granulation tissue(肉芽組織)、Necrotic tissue(壊死組織)、Pocket(ポケット)の7項目であり、Pocket以外の頭文字をとってDESIGN®としている。
Depth
創内の一番深いところで判定し、真皮までの損傷を「d」、皮下組織より深い損傷を「D」とする。なお、壊死のため深さが判定できない時もDとする。
Exudate
ドレッシングの交換の回数で判定する。1日1回までの交換を「e」、1日2回以上の交換を「E」とする。
Size
皮膚の損傷範囲(長径〈cm〉×長径と直交する最大径〈cm〉)を測定し、100未満を「s」、100以上を「S」とする。
Inflammation/Infection
局所の感染徴候のないものを「i」、感染徴候のあるものを「I」とする。
Granulation tissue
良性肉芽の割合が50%以上を「g」、50%未満を「G」とする。良性肉芽とは鮮紅色を呈する肉芽を表現する。
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Necrotic tissue
壊死組織がなければ「n」、あれば「N」とする。
ポケットがなければ「記載なし」とし、存在すればDESIGNの後に「-P」と記載する。
なお、2008年に経過と重症度を同時に評価できるように、各項目に点数の重み付けを行ったDESIGN-R®が提唱されている。DESIGN-R®では、深さ以外の6項目で重症度が表されるようになった(0~66点)。DESIGN-R®が使用されるようになってからも、DESING®は、褥瘡以外の難治性潰瘍や糖尿病性潰瘍の創評価などに用いられている。