禁煙とは・・・
禁煙(きんえん)とは、喫煙者が喫煙習慣をやめることである。
疫学
2016年の「国民健康・栄養調査」によると、日本において現在喫煙している者の割合は18.3%であり、男女の内訳は男性30.2%、女性8.2%となっている。この10年間でみると、喫煙者は有意に減少傾向である。また、現在習慣的に喫煙している者のうち、喫煙習慣をやめたいと思う者の割合は27.7%であり、男女の内訳は男性が25.4%、女性が35.0%となっている。
禁煙支援
「5Aアプローチ」からなる指導手順が世界的にも活用されている。
1)Ask[問診]
2)Advise[助言]
3)Assess[評価]
4)Assist[支援]
5)Arrange[フォローアップ]
もっとも重要なのは最初のAskのステップであり、すべての患者に対して喫煙状況や禁煙の意思を確認する。喫煙状況と禁煙の意思の有無に応じてその後の支援を検討していく。
治療
行動療法と薬物療法とに大きくわけることができる。
行動療法
・行動パターン変更法
喫煙と結びついている生活行動パターンを変えて、吸いたい気持ちをコントロールする。例えばコーヒーや飲酒などを控えるなど。
・環境改善法
喫煙のきっかけとなる環境を改善し、吸いたい気持ちをコントロールする。例えば、たばこ、ライター、灰皿などを処分するなど。
・代償行動法
喫煙の代わりにほか の行動を実行し、吸いたい気持ちをコントロールする。例えば、散歩や体操などの軽い運動をするなど。
薬物療法
程度の差はあるが、喫煙習慣にはニコチン依存が関与しており、治療としてニコチン代替療法が有効である。ニコチンガムやパッチ、舌下錠、点鼻スプレーなどさまざまな製剤が存在する。