髄内釘とは・・・
髄内釘(ずいないてい)とは、骨折部位を固定するために骨髄内に挿入する釘のことである。ネールやネイル、ロッドと呼ばれることもある。
骨の端の部分から髄腔(ずいくう:骨の中にある空洞)に打ち込むため、骨折した部分の骨を切開する必要がない。比較的大きな骨の骨幹部が骨折した場合に用いることが多い。
形状
髄内釘は髄腔に挿入しやすいよう細長い形状になっている。骨内で動いてしまわないようにスクリュー状の釘がサイドから埋め込まれているものや、骨折部分に適度な圧力をかけて骨癒合(こつゆごう:骨折部分の修復)を促すために斜めにスクリュー状の釘が埋め込まれているものもある。
素材
髄内釘は一般的に金属でできており、軽さだけでなく錆びにくさを追求したチタンなどの特殊金属が利用されていることも多い。
髄内釘固定法
髄内釘を髄腔に固定することを髄内釘固定法と言う。髄内釘固定法を用いると骨内部が補強されるため、他の治療法と比べると早期に患部への荷重ができるようになり、早期回復・早期社会復帰が可能になる。その他にも髄内釘固定法には以下のようなメリット、デメリットがある。
メリット
・傷部分が少なくなる。
・髄内釘を挿入していることが分かりにくい。・骨粗鬆症にも対応できる。
・骨の癒合時期が早まる。
・骨の長さに合わせて加工できる。
デメリット
・皮膚内部を傷つけることがある。
・再手術が必要になることがある。
・関節痛などの痛みが出ることがある。