最終更新日 2017/07/24

白血球走化因子

白血球走化因子とは・・・

白血球走化因子(はっけっきゅうそうかいんし)とは、白血球の※遊走(走化)を誘引する物質のことである。炎症部位から産生され、一部のサイトカインケモカイン)や補体脂質メディエーターなどが含まれる。走化因子の役割は大きく以下の2点があげられ、炎症反応における重要な役割を担っている。

1. 免疫応答が必要な部位を血管内の白血球に知らせる。白血球を血管内から血管外への炎症部位へと導く。
2. 走化因子の濃度が低い方から高い方へと白血球を誘導する。

好中球リンパ球、単球などから構成される白血球は、それぞれ特定の走化因子に応答する受容体を有している。産生された走化因子に対応する受容体を介し、標的の細胞が炎症部位へと導かれる。

※遊走(走化):免疫担当細胞である白血球は、常に血管内を循環している。白血球が炎症の起きている血管外組織へと出ていくことを走化(遊走)という。

 

種類

白血球走化因子は、さまざまなタイプの細胞から産生され、種類によって炎症部位へ呼び寄せる標的の細胞が異なる。主な走化因子の例は以下の通りである。

 

サイトカイン

感染といった何らかの刺激によって、さまざまな細胞から分泌される。この中でも、白血球の遊走に関わるものが走化因子に含まれる。最初に詳細な解析が行われたIL-8(インターロイキン8)が代表的である。

 

補体

炎症に関わる補体であるが、中でもC5aの呼ばれる補体が走化因子に含まれる。好中球や単球に作用する。

 

脂質メディエーター

ロイコトリエンや血小板活性化因子などが挙げられる。

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