亀頭包皮炎とは・・・
亀頭包皮炎(きとうほうひえん)とは、男性の陰茎およびその周囲を覆う包皮、一般に「皮」と言われる部分の感染をさす。基本的には、陰茎の一部あるいは全部包皮に覆われている包茎の状態に随伴して起こってくる症状であり、小児に多い病気ではあるが全年齢に発生しうる。
症状は、陰部のかゆい感じや痛み、陰部からの浸出液、会陰部の皮疹や排尿困難などであり、特に乳児の場合は泣きすぎることによって起こりやすくなり、亀頭および包皮の炎症に伴って尿が出なくなる尿閉の症状を起こすことがある。尿閉が存在する場合は、まずは尿道カテーテル留置を行う必要がある。尿閉がなく、6歳以下の若年性であれば、細菌感染によるものが多く、原因はカンジダと呼ばれる真菌が原因であることが多い。この場合は、オムツかぶれに対して、会陰部の清潔を保ち、必要に応じて軟膏薬の塗布を必要とする。
その他、ペニスを過剰に洗いすぎたことによって表皮のバリアが破綻して感染を起こしたことによる刺激性非特異性亀頭包皮炎や、A群溶連菌による感染で亀頭包皮炎に至ることもある。性交渉がある場合で、尿道からの浸出液が存在する場合は、性行為関連感染症STI(Sexually-Transmitted-Infection)の検索も必要になってくる。
原因を特定するために行われる検査には、KOHによる真菌の顕微鏡検査、A群溶連菌に対する迅速検査、尿道分泌物のグラム染色、培養検査がある。感染性の亀頭包皮炎であれば、原因微生物のそれぞれに対して抗菌薬を処方するなどで対応する。