ニコルスキー現象とは・・・
ニコルスキー現象(にこるすきーげんしょう)とは、皮膚に起きる症状の一つである。一見、正常に見える皮膚だが、表皮は薄く、こすると剥離や水疱が起きる。
天疱瘡(てんぽうそう)や中毒性表皮壊死症(TEN)などで見られる。
天疱瘡に見られるニコルスキー現象
天疱瘡の中で最も頻度が高い尋常性天疱瘡の約半数の症例で、口腔粘膜以外に、皮膚にも弛緩性水疱やびらんが起きることがある。皮疹が発生する度合いが高いのは、頭部や腋窩、鼠径部、上背部、殿部などの圧力のかかる部位であり、一見正常だが、圧力をかけると表皮が剥離し、びらんの状態(ニコルスキー現象)が起きる。
中毒性表皮壊死症に見られるニコルスキー現象
全身倦怠感と共に高熱が表れ、全身の広い範囲で紅斑、水疱、表皮剥離、びらんが起きる最重症の薬疹と推定されている。紅斑は、腋窩、外陰部、体幹などに出現し、軽く圧力をかけると表皮がはがれやすく、びらん(ニコルスキー現象)を生じる。
引用参考文献
1)天疱瘡(指定難病35).難病情報センター.
2)中毒性表皮壊死症(指定難病39).難病情報センター.