最終更新日 2018/04/17

MLF症候群

MLF症候群とは・・・

MLF症候群(えむえるえふしょうこうぐん、medial longitudinal fasciculus syndrome)とは、幹部の~中脳の高さにある内側縦束(MLF)の障害によって、片側の眼球の内転ができないが、輻輳(ふくそう、いわゆる寄り目)は可能であるという、特殊な眼球運動の状態になる疾患を言う。別名、内側縦束症候群、核間麻痺とも言う。

 

症状

具体的には、本来、左を向くとき右目は黒目が内側に移動するが、それが起こらずに正中位にとどまってしまう。しかし、寄り目をさせると、黒目は内側に移動する、という状態である。複視や健康な側の目に眼振も起こる。

 

原因

若年では多発性硬化症高齢者では脳血管疾患が多い。

 

機序

側方で起こった事象の視覚刺激は大脳に送られ、そこからの刺激により同側では眼球を動かす指令の信号が外直筋に届き、目を外側に向かせる。信号が対側のMLFを通り対側の眼球の内直筋に送られると、その目を内側に向かせる。このように正常では本来両目が同じ方向に動く。しかし、MLFに障害が起こると、そこを通る経路が遮断され、対側の内直筋にだけ信号が届かなくなる。その結果、横に何かを知覚し、見ようとする反応が生じても、片眼だけ外側に動くが、もう片眼は内側には動かないことになる。

 

しかし、輻輳時には、信号はMLFを介さない別の経路をとり、中脳から内直筋に送られるため、両眼ともに内転する。これがおおまかな機序である。

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