尿道は男女でどのように異なるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。

今回は「尿道」に関するQ&Aです。

 

[前回]

膀胱にためられる尿の量はどれくらい?

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

尿道は男女でどのように異なるの?

膀胱にためられた尿を排泄するための管状部分を尿道といいます。

 

男性の尿道は尿路と輸精管(ゆせいかん)を兼ねており、長さは成人で約18cmです(図1)。

 

図1泌尿器(男性)の構造

泌尿器(男性)の構造

 

尿道は前立腺を貫き、陰茎内を通って亀頭の先端に外尿道口が開いています。男性の尿道は全体にS字状に曲がっているため、導尿の際には注意が必要です。

 

女性の尿道は成人で3〜4cmの長さで、腟の前方を通り、腟の前庭(前方)に外尿道口(がいにょうどうこう)が開いています(図2)。

 

図2泌尿器(女性)の構造

泌尿器(女性)の構造

 

女性の尿道は短いため、外尿道口からの尿路感染を起こしやすく、注意が必要です。

 

MEMO尿路感染

腎臓から尿道の尿路に起きる感染症。炎症を起こす部位によって腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎などがあります。

MEMO膀胱炎(ぼうこうえん)

大腸菌などの細菌感染によって膀胱に炎症が起きた状態。長時間尿意を我慢したり、風邪を引いたり、月経などによって身体の免疫機能が低下したときに起こりやすくなります。

 

※編集部注※

当記事は、2016年12月8日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 

[次回]

排尿はどのような仕組みで行われるの?

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護ケアトップへ