食事介助時のポイント

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は食事介助について解説します。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

食事介助について

食事場面を観察し、栄養状態が不良であったり、食事摂取が進まなかったりする場合、なぜそれらが起こっているのかを考えます。食事摂取に関する機能的な問題なのか、入院によるもともとの食生活や生活環境の変化なのか、精神的な問題なのかなど原因をアセスメントします。

 

食事介助時の援助

①排泄の確認をします。

 

体位を整えます。

  • 基本的には座位で軽度頸部前屈位とします(図1)。ただし、むせ込みのある患者や座位のとれない患者の場合は30°半座位とします。ギャッチアップする場合、腰の位置を合わせる (図2)。

 

口腔の状態の確認をします。うがいをします(必要な人は入れ歯をつける)。

 

④配膳する

  • 適温な状態で、患者からよく見える位置に配置します。
  • テーブルの高さは、患者の手が自然にテーブルの上にのせられるくらいに調整します。

 

⑤介助する

  • スプーンを口に入れるときは、水平に入れます。口唇を閉じたら、水平に抜きます。
  • 1回量は、ティースプーン1杯程度にします。あまり量が少なすぎても嚥下反射を誘発する刺激になりません。
  • しっかり嚥下したことを確認し(甲状軟骨の上下の動きを確認する)、次のひと口を介助します。

 

⑥口腔ケアをします。入れ歯は外して洗います。

 

図1食事介助の基本と車いすでの食事

食事介助の基本と車いすでの食事

 

図2座位をとれない患者の食事介助方法

座位をとれない患者の食事介助方法

 

※編集部注※

当記事は、2016年11月15日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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