『コード・ブルー』で馬場ふみかが演じたイマドキ看護師の“成長”|劇場版 公開直前インタビュー
映画『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』が、2018年7月27日に公開されます。
昨年放映されたドラマでは、プライドが高い新人看護師・雪村双葉役として、馬場ふみかさんに注目が集まりました。
映画でも引き続き雪村を演じる馬場さんに、映画や役柄への思いを伺いました!
聞き手:白石弓夏(看護師・ライター)
プライドが高く可愛げのない看護師・雪村双葉
白石弓夏:ドラマの3rd Season(以下 ドラマ)で雪村が登場したときには、「うわー。なんか今イマドキの子がきたな」という感じで、プライドの高さや、コミュニケーションの淡白さが、“イマドキの看護師”としてリアルだなと思いました。
馬場ふみか:雪村は自信があって、負けず嫌いで「誰にも頼らずやっていきたい」と思っている性格ですよね。
職場の新人なのに、そんな態度とるのか…って台本を見て驚くこともありました。
でも、ただの自信家ではなく、誰よりも勉強して努力してるんですよ。
その背景も表現したいと思っていました。
白石:ドラマでは「新人看護師」として登場しますが、フライトナースとして新人なだけで、臨床の経験は積んできているという設定ですしね。
馬場:そうなんですよ。雪村のあのプライドの高さは「私は努力してきた、だからやれる」という意思の表れなんだと思います。
演じる上でも「看護師として最初からある程度動ける」というのが前提になりました。
なので、ドラマでも映画でも、看護師としての動きを表現するのは難しかったですね。何度も繰り返し練習しました。
肘を使ってポンピングしたバッグバルブマスク
Ⓒ2018「劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会
白石:映画では、巨大フェリー衝突事故が起こった時、最初に現場に到着したチームの中に雪村がいました。
馬場:雪村はまだフライトナースとして新人で、あそこまでの大災害は初めての経験だったと思います。
普段とは違う慣れない感じや、驚いている状態を表現しようとしていました。
あと印象的だったのは、バッグバルブマスクを手ではなく、違う場所で押してくれって監督さんに言われたことです(笑)
ドラマで、比嘉愛未さん演じる先輩フライトナース冴島が、頭部外傷の人の処置で手が塞がっている中、機転を利かせて膝でバッグを押していたのを雪村は見ていたんです。
そこで、私は肘でやってみました。
実際の看護師さんはしない方法ですよね…。慣れないのでバッグが肘からスルっと逃げて大変でした…!
白石:細部にわたり、先輩の動きを継承しているという設定なのですね。
馬場:はい、これまで比嘉さんが演じられていた冴島の動きは、過去の映像を見てかなり研究しました。
比嘉さんはとにかく動きがものすごく速いんですよ。
看護監修の先生も、いつも驚かれていて。
劇中、どんなにたくさん動作を設定していても尺が余っちゃうそうなんです。
「私も速く動けるようにならなくちゃいけないのか…」というプレッシャーはありました。
新人フライトナースとはいえ、雪村のこれまでの努力を裏づけられるように、フェリーのシーンで使う手技も何度も練習しました。
看護師として少しずつ成長していった雪村
Ⓒ2018「劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会
白石:ドラマでは、ツンツンしている雪村に対して冴島が「あなたの顔を見るとみんなが安心する。そういうナースになって欲しい」と伝えるシーンも印象的でした。
馬場:はい。冴島の言葉を受けて、ドラマの後半はだんだん人柄が柔らかくなってきていたことは意識していました。
でも、すぐに全部は変わらないです。
人に優しい言葉をかけようとトライはしているけど、ぎこちない感じでやりたかったです。
成長したり、変わろうとする時って、少しずつなのかなって思うので。
雪村は何事にも一生懸命なキャラクターでもあります。
なので、ドラマの中で色んな人に影響を受けて、誰に対しても鋭かった態度が軟化していきます。
救命の医療スタッフに対しても少しずつ心を開いていったんだと思います。
劣悪な家庭環境から抜け出し、看護師になった過去
白石:今回の映画では、雪村がツンツンしている理由の一つとして、劣悪な家庭環境から抜け出してきたという過去が明かされます。
「家族に頼らず一人で生きていく」という気持ちの強さがある雪村を演じる上で、気をつけたことはありますか?
馬場:私も実は、どちらかというと強いタイプなんだと思います。
譲れない部分や、自分の意思はハッキリと伝える性格です。
なので、性格的な共通点はあると思うんですが、雪村が育ってきた環境を思うと「並大抵の強さではない」と感じます。
その背景や、今も抱えている想いに想像をめぐらせて演じました。
ターニングポイントとなる藍沢医師とのシーン
白石:映画では、雪村が人間として成長するターニングポイントとなるのが、山下智久さん演じる藍沢医師とのシーンのように思いました。
ドラマの冒頭では、藍沢に「私ぜんぶ一人でできますから」と啖呵を切っていた雪村でしたが、映画ではどのように藍沢と向き合ったのでしょうか。
馬場:ドラマが終わったころよりは、確実に成長していなきゃいけない、と思いました。
映画までの時系列を経て、雪村はいろいろ頑張ったと思うんです。
より成長した姿で、藍沢医師に向き合っていたと思います。
ターニングポイントとなるシーンは、普段はツンツンしている雪村が感情をあらわにする重要な場面です。
何度も何度もテイクを重ねました。
山下さんも励ましてくれながら、優しく付き合ってくれました。
不器用だけど成長しようと頑張っている雪村を見てもらいたい
白石:今回の映画で、看護師・雪村双葉として一番注目してほしいところはどこでしょう?
馬場:コミュニケーションは不器用だけど、成長しようと頑張っている雪村の姿を見守ってもらえたらなと思います。
新人フライトナースとして、映画にあるような大規模災害の現場では不安や恐怖で怯えることもあると思うんです。
その中でも、雪村は懸命に頑張っています。
「先輩のスピードについていかなくちゃ」「自分がミスしちゃいけない」という重圧の中で奮闘する雪村を見守っていただけたら嬉しいです。
馬場ふみか(ばば・ふみか)
1995年6 月21日生まれ、新潟県出身。
「non-no」専属モデル。2014年に映画「パズル」で女優デビュー。「仮面ライダードライブ」でドラマ初出演。
主な出演作は、映画「劇場版 お前はまだグンマを知らない」「リベンジgirl」など。
撮影/kuma*
ヘアメイク/八戸亜季子
スタイリスト/小笠原吉恵
衣裳協力/AMBIENT
編集/坂本綾子(看護roo!編集部)
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