警備のプロに聞いた! 女性が遭いやすい犯罪と知っておきたい「護身術」

どうも、かんごるーです。

 

最近、女性を狙った物騒な事件が多いですよね。

 

準夜勤終わりの帰り道なんかは、暗くて人も少ないので怖いです。

 

日本は平和な国ですけど、いつどこで犯罪に巻き込まれるかわかりません。

 

身を守るためにできることがあるなら、なるべく知っておきたいですね!

 

そこで今回は、警備のプロであるALSOKさんに「犯罪に遭わないために気をつけるべきこと」を教えてもらいます!

 

 

ALSOKさんに聞いた! 犯罪に遭わないために気をつけるべきこと

やってまいりました。ALSOKさんです。

(今日は袋の中のごるごるちゃんは置いてきました。)

今回、防犯の心構えを教えてくれるALSOKの仲嶋さんです。

 

よろしくお願いします、さっそくいろいろ質問させてください!

 

 

 

女性が被害に遭う犯罪は多いんですか?

警察庁によれば、平成25年に女性が犯罪被害に遭った件数は35,000件以上で、刑法犯全体でみると女性の割合は33.3%です。

 

実は男性のほうが被害に遭うことが多いのですが、被害の状況をみてみると、女性のほうが被害に遭いやすい犯罪があることがわかります。

 

女性が被害に遭いやすいのはどんな犯罪ですか?

多いのは、「窃盗」「強姦」「強制わいせつ」「公然わいせつ」「略取誘拐」「詐欺」です。

 

時間帯別では、このような被害が多いといわれています。

 

・午後8時~午前6時(人通りが少なく、周囲が暗い時間帯)
→強姦、強制わいせつ など
・午前7時~午前9時(通勤・通学の時間帯)
→痴漢 など
・午後6時~午前0時(周囲が徐々に暗くなり、家路につく人が多い時間帯)
→ひったくり など

 

仕事の都合で深夜に帰宅することの多い看護師の皆さんには、十分注意していただきたいと思います。

 

 

女性が被害に遭いやすいシチュエーションを教えてください!

はい、それではいくつかのシチュエーションを紹介しつつ、それぞれで気をつけるべきポイント、つまり「護身術」についてお話ししますね。

 

通常「護身術」というと相手を倒したり捕まえたりというイメージがありますが、実際は違って、あくまでも「自分が逃れる」ための手段。

 

危険な目に遭わないようにする行為そのものが護身術であり、とにかく「危険な目に遭わないこと」が護身術の最大の目的なのです。

 

 

シチュエーション1:電車に乗るとき

電車で多い犯罪はなんといっても痴漢です。

 

痴漢に遭わないためには、乗車中だけでなく乗車前からの心がけが重要になります。

 

看護師さんは激務ですから電車の中くらいゆったり過ごしたくなるかもしれませんが、自分の身を守るためには油断禁物です。

 

・ホームではどこに並ぶかが大切

犯罪者は乗車前からターゲットを定め、その後ろに並ぼうとします。

 

なので、できるだけ「女性が多い列を選ぶ」「乗車後に奥へ押し込まれないよう前の方に並ばない」といった工夫が大切です。

 

一番安全なのは「女性専用車両」に乗ること。「乗り場から改札が遠いから」と不便がらずに、なるべくそこに乗るようにしましょう。

 

・乗車中の立ち位置に気をつけて

混んだ車両はなるべく避けましょう。

 

また、「逃げ場のないドアの脇に立たない」ことも大切です。

 

もしドアの前に立たざるを得ない状況でも、「ドアに背を向けることで相手にスキを見せない」などの工夫をしてください。

 

・もし痴漢に遭ってしまったら

勇気を出して「私の後ろにいる人、痴漢です!」「やめてください!」などと大声で言いましょう。

 

このとき丁寧な言葉を使ったほうが、自分と加害者が他人同士であることを周囲に認識してもらいやすくなります。

 

声が出なければ防犯ブザーを鳴らしてもよいでしょう。

 

・助けを求めるときに「誰か」ではダメ

「誰か助けてください」ではなく、特定の人の目を見るか指をさして助けを求めてください。

 

1人を特定したほうが確実に助けてもらえます。

 

もちろん、万が一お世話になった場合はきちんとお礼をしてくださいね。


そして、加害者と対峙するときは1人で対処しようと思わないでください。

 

相手は逃げようと必死ですし、女性だからとなめられて話がこじれてしまう恐れもあります。

 

駅員さんを呼ぶか、その場で110番通報するなどして、必ず第三者を交えましょう。

 

 

シチュエーション2:夜道を歩くとき

日勤で残業が長引いてしまったときや、準夜明けで深夜に帰るときなど、夜中に1人で歩かなければならないときは細心の注意が必要です。

 

・ながら歩きに要注意

夜道を歩くときは周囲を警戒しながら早歩きを心がけてください。

 

このとき、イヤホンで音楽を聞きながら歩いたり、携帯電話を操作しながら歩いたりするのは絶対にダメ。

 

意識が散漫になり、不審者が近づいてきてもすぐに気づかない恐れがあるのでとても危険です。

 

・できるだけ明るい道を

少しでも早く家に帰るために近道をしていませんか?

 

夜道を歩くときはなおさら早く帰りたくなると思いますが、より安全なのはその逆。

 

遠回りをしてでも明るい道を選んでください。

 

・防犯ブザーを手に持つ

バッグのなかに忍ばせておくのではなく、手に持ちながら歩くと効果的です。

 

万が一犯罪に遭いそうになったときは相手をすぐ威嚇できるだけでなく、周囲に見えるように持つことで犯罪者が警戒して近寄ってこなくなる効果もあります。

 

電池が切れていないかも定期的に確認してくださいね。

 

・助けを呼べる場所を覚えておく

交番やコンビニなど、いざというときに駆け込める場所を常日頃から意識しておいてください。

 

普段利用する道で犯罪に遭いそうになったとき、「ここまで逃げれば助けを呼べる」という場所を把握しておくのは非常に重要です。

 

・車から降りるときも注意

車で通勤されている看護師さんは、駐車場に車を停めてから家に入るまでのほんのわずかな時間であっても油断してはいけません。

 

車から降りるときは、必ず周囲を見回して、誰もいないのを確認してから降りるようにしてください。

 

 

シチュエーション3:家に帰ってきたとき・家にいるとき

家に着いたら安心、家にいるから安全、というわけではありません。

皆さんが家に到着したそのときや、家にいるときも、犯罪者は目を光らせています。

 

・鍵をかける習慣をつける

警視庁が発表した平成25年の「盗みを目的として住宅に侵入した犯罪者の浸入手段」のデータによると、一戸建て、4階建て以上の共同住宅、3階建て以下の共同住宅では、それぞれ40%以上が鍵をかけていない玄関や窓から侵入されています。


4階建て以上の共同住宅にはオートロック式のマンションも多いですが、だからといって油断できないことがわかります。

 

玄関扉だけでなく、窓の施錠確認も忘れずに。

 

・外から家に入るときも注意

周囲を見回して誰もいないことを確認し、ドアを開けたら素早く入って鍵をかけましょう。

 

また、すぐに部屋の電気をつけないこともポイントです。

 

仮に不審者に後をつけられていたとして、運良く玄関前までは着いてこられなかったとします。

 

しかし、ここですぐに電気をつけてしまうと外から部屋を特定されてしまいます。

 

特に一人暮らしの看護師さんは注意してください。

 

・上階に住んでいても油断は禁物

上の階に住んでいるからという理由で窓を開けっ放しにしていたり、玄関の鍵をかけなかったりしたために、泥棒に入られるケースはけっこう多いです。


電柱やブロック塀、排水管などの足場があれば犯罪者はいくらでも侵入してくるので、戸締まりには十分注意してください。

 

・来訪者があったら必ず相手を確認する

ドアスコープやインターホンの画像で来訪者を確認するまでドアを開けてはいけません。

 

.残念ながら宅配業者や点検業者を装った犯罪者が存在するので、ドアを開けるときはチェーンを外さず対応しましょう。

 

宅配便が届いたときはドアチェーン越しに伝票にサインし、その後、荷物をドアの前に置いていってもらいます。

 

業者さんがいなくなったのを確認してから荷物を家に運んでください。

 

ほかにも水道業者やガス業者など、いろいろな点検業者が訪問してくると思います。

 

その際は、本物の業者さんであるかどうかを確認先の電話番号にかけて確かめましょう。

 

「本物の業者さんに失礼では?」と思うかもしれませんが、どうか気にせず、自分の身を守ることを優先させてください。

 


シチュエーション4:エレベーターに乗るとき

エレベーターは密室なので、犯罪者にとっては都合の良い場所といえます。

 

非常押しボタンの位置を確認することを忘れないでください。

 

・ボタンを押すのはドアが閉まってから

エレベーターに乗るときは、乗ってくる人を確認できるように、操作ボタンの前に、壁を背にして立ちましょう。

 

そして、ドアが完全に閉まってから階数ボタンを押してください。

 

これは、ドアが閉まる前に不審者が乗り込んできたとき、自分の住んでいる階数、行きたい階数を悟られないようにするためです。

 

・知らない人が乗ってきたら降りる

万全を期すなら、知らない人が乗ってきたら自分は降りるようにしましょう。

 

実際は不審者ではないかもしれませんが、最優先なのは自分の安全です。

 

どうしても気になる人は携帯電話を片手に持っておき、知らない人が乗り込んできたときに電話がかかってきたフリをして降りれば、相手に失礼になりません。

 

・不審者に襲われそうになったら

万が一不審者に襲われそうになったときには、すべての階数ボタンを押してください。

 

そうすれば最寄りの階でエレベーターが止まるので、ドアが開いたら全力で逃げましょう。

 

シチュエーション5:SNSを使用するとき

不規則な勤務の看護師さんはどうしても友人と予定を合わせるのが難しくなりがち。

 

そのような状況下で友人とつながれる有効な手段の1つがSNSですよね。

 

とても便利な手段である反面、SNSを悪用した空き巣や詐欺被害が起きているのも事実。

 

犯罪者同志や、犯罪者と被害者をつなげるツールにもなることもあります。

 

SNSを利用する際は、次のことに気をつけてください。

 

・必要以上に個人情報を公開しないこと
・情報を公開する場合は不特定多数に向けてではなく、公開範囲を限定すること
・今居る場所がわかるような写真や記事は投稿しないこと

 

「これから夜勤」のように、家を留守にすることや帰宅時間がわかるような投稿もやめましょう。

 

留守中に泥棒に入られたり、帰宅時を狙って待ち伏せされたりする恐れがあります。

 

個人情報を悪用した事件に巻き込まれないよう、十分な注意が必要です。

 

仲嶋さん、詳しく説明していただきありがとうございました!

 

相手にとって「失礼かもしれない」と思う行動でも、自分の身を守るためには優先させなければいけないことがあるんですね。

 

 

ALSOKさんが実演! 不審者に遭遇してしまったときの護身術

ここからは、ALSOKの仲嶋さんと不審者役のMくんに、女性でも使える「護身術」を紹介してもらいます。

 

※冒頭に映っていたのもかんごるーさんを迎えに来たMくんなので心配ありません。

 

繰り返しますが、「危険な目に遭わないこと」が護身術の最大の目的です。

 

とはいえ、実際に不審者に出くわしてしまったときの対処法も、ぜひ知っておきたいですよね。

 

今回は、「腕を掴まれた場合」と「後ろから襲われた場合」の護身術を教えてもらいました!

 

 

パターン1:腕を掴まれたときの護身術

目の前から不審者が近づいてきました……。

 

腕を掴まれてしまいました……!

 

このとき、手を一気に「パー」にします。

 

パーにすると同時に、腕を一気に上に振りあげます。

 

腕を上げるときは、必ず「まっすぐ上」にあげること。

 

不審者の腕を振り払ったら、あとは全力で逃げましょう!

 

■ピンポイント解説
 

腕を掴まれたら……

 

一気に「パー」!

すると、手首が太くなって掴みにくくなります。

 

パーにした瞬間、一気に振りあげましょう。

 

ここでポイントになるのが、腕を「まっすぐ」上げること。

 

右や左に反れるとうまく力が入らないので、必ず「まっすぐ」です!

 

勉強になります。

 

 

パターン2:後ろから襲われたときの護身術

今度は不審者が後ろから襲ってきました……!

 

抱きつかれてしまいました……!

 

このとき、体を沈めながら不審者の腕と自分の体のあいだに両手を入れます。

 

そして、膝を折ってさらに体勢を低くしながら――

 

バンザイをするように、両手を大きく広げて飛び出します。

 

あとは全力で逃げましょう!

 

■ピンポイント解説
 

この空間に腕を入れるのがポイント。
腕はクロスさせましょう。

 

体勢を沈めながらだと、腕が入っていきやすいです。

 

そこから一気に――

 

バンザイ!
大きく腕を開きながら上にあげるのがポイントです。

 

勉強になります。

 

 

まとめ

最後に、犯罪や護身術について、看護師にぜひ伝えておきたいことをお聞きしました。

 

「大切なのは、被害に遭わないようにする普段からの心構えです。

 

ちょっとした予防が自分を守ってくれます。

 

また、被害に遭いそうになったら、とにかく逃げましょう。

 

決して「やっつけてやろう」「捕まえてやろう」などとは思ってはいけません。

 

万が一被害に遭ってしまったら、決して自分を責めたりせず、警察や身近な人に相談して、1人で抱え込むことのないようにしてください。」

 

ALSOKさん、仲嶋さん、ありがとうございました!

 

今回学んだのは、「いかに犯罪に遭わないようにするか」という心構え。

 

看護師の私たちも、日ごろから防犯意識を持って行動するように心がけたいですね。

 

<協力>

ALSOKは、日本の治安の維持、社会の安全の確保を目的として1965年に創業し、2015年7月に創立50周年を迎えました。自らの果たすべき役割を「警備業の垣根を越えた経済社会のインフラとして安全安心を提供すること」と位置付け、多岐にわたる分野で人々の安全安心かつ快適な暮らしを支えています。

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コメント

コメント一覧 (3)

3
2022/03/05 14:43

勉強になります!
これからも不審者には気を付けます。

2
2016/11/18 07:05

腕を掴まれた時の対処法は、不穏患者さんに掴まれた時などにも応用できますね!

1
2016/11/14 01:27

怖い目に遭っている時、護身術なんてできません。犯罪被害者ですが犯人は執行猶予付きの懲役刑なんて軽すぎます。

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