看護師が1日に摂取する糖分量を計算してみた―冬太りだけじゃない糖質摂りすぎのリスク

あなたは、1日にどれくらいペットボトル飲料を飲みますか?更に、そこから摂取する糖分の量を知っていますか?

 

ペットボトルの「清涼飲料水」は、それほど甘くないものであっても多量の砂糖を含んでいます。2016年10月には、世界保健機構(WHO)が糖分の入った飲料への課税を進めるよう呼びかけました。それほど、近年の糖分摂取過多は深刻なようです。

 

では実際に私達が口にしている「飲料」には、どれだけの砂糖が含まれているのか?1日でどれくらいの量の砂糖を摂取しているのか?ちょっと怖いですが、白日のもとにさらしてみましょう。

 

 【目次】

 

 

適切な糖分量ってどれくらい?

適切な量の糖分は人体にとって必要なものですが、摂取しすぎると肥満や虫歯を増やす原因になることは誰もが知っています。

 

WHOは2015年に発表した「成人及び子どものための糖類の摂取に関するガイドライン」の中で遊離糖類(※)の摂取量を総エネルギー摂取量の10%未満にすることを推奨しています。さらに5%未満にすると、肥満や糖尿病血管疾患、心疾患、腎疾患などの循環器疾患、アレルギー疾患を減らすことも期待できることがわかっています。

※遊離糖類とは…単糖類(ブドウ糖・果糖等)及び二糖類(しょ糖・食卓砂糖等)のこと

 

5%とはどれくらいかというと、成人女性の1日の摂取エネルギーを2000kcalとすると、100kcal。砂糖は1gが約4kcalなので、約25g=大さじ5杯。5g入りのスティクシュガーでは5本分になります。

 

たとえば、いくつかの清涼飲料水の糖分量を挙げてみましょう。

 

・ポカリスエット500ml 砂糖:33.5g

・ミニッツメイドオレンジ 480ml 砂糖:48g

・アクエリアス 500ml 砂糖:23.5g

・いろはす みかん 555ml 砂糖:24g

 

500mlのペットボトルを1本飲むだけで、1日の推奨摂取量を軽く超えてしまうものもあります。

 

看護師が1日に摂取する糖分量を計算してみた

では、私達の現実の生活ではどれくらいの糖分を摂取しているのでしょう。

看護師が1日にどれくらい糖分を摂取しているのか、試算してみました。

 

【ナースA子の一日~日勤編】

 

◆7:00 起床

寝坊したので朝ごはんを食べるヒマがなくて、冷蔵庫にあったアクエリアスを一気飲み!

アクエリアス 23.5g/500ml 

 

◆8:00 出勤

いつも病院近くのコンビニでお昼ごはんを買ってから出勤。今日は寒いのでついでにホットの缶コーヒーを買って飲みました。

ジョージアエメラルドマウンテンブレンド 12.6g/185ml

 

◆18:30 退勤

1時間ほど残業したらロッカールームで同期と遭遇。積もる話もあったので、ホットのミルクティーを買って少しの間女子会!

午後の紅茶あったかいミルクティー 23g /280ml

 

◆20:00 帰宅

今日の夕飯は昨日の残りもののカレーを使ったドリア。カロリーも考えて、飲み物はウーロン茶にしました。

ウーロン茶 0g/250ml

 

◆21:00 入浴

1日の疲れを癒すためにゆっくり雑誌を読みながら半身欲。汗をかくので、フレーバーウォーターで水分摂取!

い・ろ・は・す みかん 23.7g/555ml

 

◆22:00 リラックスタイム

缶チューハイ片手に、撮り溜めしたドラマをみながらリラックス。

氷結もも 7.1g/350ml

 

◆24:00 就寝

少し体も冷えてきたので、はちみつ入りホットミルクで温まってからおやすみなさい!

牛乳 7.2g/150ml

はちみつ 5.5g/5ml

 

摂取した糖分量合計:102.6g

 

ナースA子の場合、1日で102.6gもの糖分を摂取していました。これは、WHOが推奨する5%(25g)の4倍にもなります。これ以外に食事の中にも糖分が含まれているので、私達は想像よりもかなり多くの糖分を摂取しているのです。

 

甘い飲み物のリスク:「ペットボトル症候群」を知っていますか

清涼飲料水から糖分を過剰摂取することのリスクは他にもあります。

 

ペットボトル症候群という急性の糖尿病を知っているでしょうか。ペットボトル症候群とは、正式名称を「清涼飲料水ケトーシス」といい、糖尿病の自覚がない人が糖分を含む清涼飲料水を多飲し続けたために急激に血糖値が上がりケトーシスになる疾患です。(参考:日本コカ・コーラ

 

糖分を多量に含む清涼飲料水を多飲すると、血糖値が急激に上昇します。糖尿病の症状である「喉の渇き」のために清涼飲料水を飲み続けてしまうと、水分と同時に多量の糖分も摂取しているため、高血糖が改善されるどころか維持されてしまい、さらに飲料摂取を助長させるという悪循環に陥るのです。

 

また、ペットボトル症候群の恐ろしいところは、突然倦怠感や吐き気といったケトアシドーシス症状があらわれてもただの体調不良と認識されてしまうところです。「水分を取って休めば治る」といった誤った認識により、気付かぬうちに糖尿病を悪化させてしまいます。

 

WHOが懸念するように、過体重や糖尿病は年々増加しています。食べ物だけでなく飲料にも砂糖が含まれていることを意識して、健康的な水分摂取を心掛けましょう。

 

【ライター:こたつむし】

 

(参考)

糖類摂取量に関する新ガイドライン(公益社団法人日本WHO協会)

WHOファクトシート 健康的な食事(公益社団法人日本WHO協会) ※PDF

栄養成分表示(アサヒ飲料)

五訂増補日本食品標準成分表(文部科学省)

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