抱っこ・おんぶ
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回は抱っこ・おんぶについて解説します。
佐々木祥子
東京都看護協会/小児看護専門看護師
抱っこは首がすわらない生後3か月ごろまでは「横抱き」、首がすわってからは「立て抱き」をする。
おんぶは、首がすわってから行う。
抱っこ・おんぶの手順
首がすわらないころ
首がすわらない生後3か月ごろまでは、片手で頭を支え、もう片方の手で臀部を支えて、頭から抱き起こす(図1)。
図1 頭から抱き起こす
患児の頭を肘関節に乗せ、頭から首にかけてまっすぐにして支える(図2、図3)。
患児を体から離さないように密着させる。
図2 頭から首にかけてまっすぐにする
図3 肘で支える
POINT
■バスタオルやおくるみで体全体を包むと、安定感が増す。
POINT
寝かせるときは
■寝かせるときは臀部から先につけ、最後に頭がガクンとならないように、両手で支えて下ろす。
■臀部、体、頭の順番に下ろす。
首がすわった後
首がすわってくると横抱きより、立て抱きを好むようになる。
片腕で患児の腰を支え、もう片方の腕で背中を支えて、全身を立てるようにする(図4)。
図4 背中を支えて縦抱きする
おんぶは首がすわってから行う。背中に乗せるときは2人で行い、患児の頭が援助者より下になるよう、首にひもがかからないよう注意する(図6)。
患児の手はひもの上に出す。
図6 おんぶ
POINT
抱っこ・おんぶの際の留意点
■おんぶは、必ず、首がすわって体がしっかりする生後3か月過ぎからにする。
■患児の運動を制限し、胸や足を拘束するため、長時間のおんぶは避ける。
■患児の足を広げて、臀部をしっかり支える。
■背中に乗せる際は2人で行い、手足の位置や姿勢が不自然でないことを確認。
■おんぶをしていると後ろがみえないため、鏡をみたり、患児の息遣いや動きに注意する。
■抱っこ帯、おんぶひもは、月齢や発達に応じて使い分ける。
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ