おむつ交換
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回はおむつ交換について解説します。
佐々木祥子
東京都看護協会/小児看護専門看護師
陰部・臀部の清潔を保ち、患児が気持ちよく日常生活を送るためには、汚れたままで放置せず、適時、おむつ交換を行う必要がある。
おむつ交換の目的
● 便・尿で汚れた陰部・臀部を清潔にする。
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1 必要物品の準備
援助者は手洗いを行い(図1)、必要物品を準備する。おむつ交換に必要な物品は図2のとおり。
図1 手洗いを行う
図2 おむつ交換の必要物品
①紙おむつ
②お尻拭き
③手袋
POINT
■排泄物からの交差感染を防ぐため、おむつ交換時には必ず、手袋を着用し、患児ごとに手袋を交換する。
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2 陰部・臀部の清拭
❶手袋を装着し、患児の臀部に手を差し入れて挙上し、あらかじめ新しい紙おむつを敷いておく(図3)。
紙おむつを開き、便が出ていれば、紙おむつの汚れのついていない面で、陰部・臀部の汚れを拭き取る。
図3 新しい紙おむつを敷いておく
POINT
■排泄物が周囲に付着しないよう注意。
❷さらに、お尻拭きで陰部・臀部の汚れを拭き取る(図4)。
図4 陰部・臀部の汚れを拭き取る

POINT
陰部・臀部の拭き方
■男児:陰嚢の裏側に汚れが残りやすいため、陰茎・陰嚢を持ち上げて拭く。
■女児:前から肛門側に向かって、一方向で拭き、尿道口に便が付着しないようにする。
■一拭きしたら、お尻拭きの面を替えて拭く。
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3 おむつ交換
❶片手で患児の足を支え、他方の手で紙おむつを丸めながら取り出す(図5)。
図5 紙おむつを丸めながら取り出す

❷患児の臀部に手を差し入れて挙上し、汚れたおむつを引き抜く。あらかじめ敷いておいた紙おむつを当てる(図6)。
図6 汚れたおむつを引き抜き敷く

POINT
■汚れた紙おむつは、周囲に便・尿が付着しないよう、注意して丸める。
■両足をまとめて持ち上げると、股関節脱臼を起こす危険がある。
臀部の挙上は、片手を挿入して行う(図7)。
図7 臀部の挙上NG例

❸陰部・臀部を乾燥させ、股のギャザーを広げながら紙おむつを当て、テープをとめる(図8)。
図8 紙おむつのテープをとめる
❹きつくないよう、指が2~3本入ることを確認する(図9)。
図9 指が2~3本入ることを確認する
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ