【点滴が落ちない理由&対応3つ】血管外漏出/凝固/固定|点滴管理の困りごと
点滴管理の困りごと「点滴が落ちない理由&対応3つ」を解説!
執筆・イラスト・監修:はや(看護師)
<目次>
しっかり滴下を確認したはずなのに、ラウンドで確認したら、点滴が落ちてない…!? どうしよう…
点滴が落ちなくなっていると慌てちゃうよね。患者さんの状況によっては刺し替えが必要なケースもあるよ。
点滴が落ちない理由や観察ポイント、対処法を説明していくよ!
点滴が落ちない理由① 血管外漏出が起きている
点滴が落ちない場合に、最も注意が必要なのが「血管外漏出」。投与している薬剤(抗がん剤など)によっては周辺組織への影響があるため、注意が必要です。
血管外漏出をしているかどうかを判断するときは、以下のことを観察しましょう。
● 炎症徴候の有無(発赤、腫脹、熱感、硬結、疼痛、血管痛…など)
● 薬液が漏れて刺入部付近が濡れていないか
● 逆血の有無
● 投与側の刺入部との左右差
…など
この場合は、すぐに点滴を止めて抜針し、ルートを別の部位に刺し替える必要があります。
自分だけで判断ができない場合は、先輩に相談して一緒に見てもらうことも大切です。
点滴が落ちない理由② 血液が凝固してルートが詰まっている
2つめの理由として、カテーテル内に逆流した血液が凝固し、血栓がカテーテルを閉塞させて詰まっている可能性があります。
血液が凝固していると考えられる場合は、まずは逆血を確認しましょう。逆血がなければ抜針し、刺し替えを行います。
留置針のゲージ数が小さく細いものや、留置から時間が経っているルートほど、凝固して詰まりやすい特徴があります。
留置針の先が血管に当たっている場合も、逆血がないことがあるため、「点滴が落ちない理由③ 留置針の先が血管壁に当たっている」も一緒に確認しましょう。
点滴が落ちない理由③ 留置針の先が血管壁に当たっている
3つ目の理由として、留置針の先が血管壁に当たっている可能性があります。特に、関節付近は手の動きによって位置が変わりやすく、点滴が落ちなくなることがよく見られます。
この場合は、固定方法を調整すれば点滴が落ちるようになることが多いです。留置針の位置を少し動かしてみて滴下が再開すれば、その位置で再度固定をし直します。ガーゼなどを使用するのも◎です。
位置を調整して滴下があっても、落ち方が弱いと感じるときは、血液が凝固しかけている可能性があるので、先輩にも相談したうえで抜針して刺し替えることを検討してください。
そのほか、こんなところもチェック!
また、ここまでで紹介した3つの点滴が落ちない理由のほかにも、「ルートが屈曲して閉塞している」「クレンメがオフになっている」など、うっかり見逃しがちなポイントもあります。
点滴の滴下を確認するときは、点滴ボトル~刺入部までをしっかり確認し、安全に投与ができているか確認することが大切です。
編集:看護roo!編集部 小園知恵(看護師)
参考文献
- 中村充浩、北島泰子著.わかるできる看護技術 vol2 根拠からわかる!実習で実践できる!臨床看護技術,照林社.2022,P35-P151.
- 道又元裕・露木菜緒監.看護がみえる vol2 臨床看護技術 ,メディックメディア.2021,P64-P87.
- (公社)神奈川県看護協会 医療安全情報No.8 ≪血管外漏出対応≫(2024-01-26アクセス)
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