自信はないけれど、医師の指示に疑問があるとき、どう確認すれば怒られない?

『いまさら聞けない!急変対応Q&A』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は医師の指示に疑問があるときの確認方法について解説します。

 

小越優子
滋賀医科大学医学部附属病院 看護部管理室看護師長/救急看護認定看護師

 

自信はないけれど、医師の指示に疑問があるとき、どう確認すれば怒られない?

 

支持口調で、疑問を抱いた理由も含めて確認するとよいでしょう。

 

 

まず確認したいのは「“怒られる/怒られない”の主体は誰か」ということです。

 

臨床で看護実践を行ううえでは、「医師に自分が怒られる」ことを一番に考えるのではなく、「看護師として、その患者に何をすべきか」を第一に考えてほしいと思います。

 

そうはいっても、現実では難しいこともあるでしょう。そんなときには、医師の指示に疑問をもった理由を、自分のなかで明らかにすることが必要です。

 

「疑問を抱いた理由」も伝える

先輩看護師や同僚看護師がそばにいて、確認する余裕があるのなら、相談して同一の見解を得てから、医師に相談することもできます。

 

しかし、マンパワーの都合で、1人で判断しなければならない場合、自分で医師に指示を確認しなければなりません。

 

自信がなくても「疑問を抱いた」ということは、「おやっ?」と思った理由があるはずです。「いつもと違って◯◯なのに…」「バイタルサインは◯◯なのに…」など、理由を明確にしたうえで、それをふまえて医師に確認しましょう。そうすれば、質問された医師が、理由があれば説明を加えてくれますし、誤っていれば指示を修正してくれます。

 

質問したあなたにとっても、指示に対する疑問が解消され、納得できれば、確認した意義があるはずです。

 

 

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クッション言葉をうまく使う

医師とのコミュニケーションでは、言い方も重要です。

 

真っ正面から「この指示は、まちがっている」と指摘する看護師はいないと思いますが、ここでは、人間関係を円滑にするうえで有効なクッション言葉を紹介します(表1)。

 

表1 クッション言葉の例

クッション言葉の例

 

例えば「指示簿を見直してください」という言い方、これは命令口調です。

 

しかし、「患者の様子は昨日と変わりませんが、指示が変更されているので、確認してもらえますか?」と言い方を変え、支持口調にすると、相手も受け入れやすくなります。

 

こうしたコミュニケーションツールもおおいに活用して、自分のスキルを上げるワザを磨いていくことが重要です。

 

 

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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『いまさら聞けない!急変対応Q&A』 編著/道又元裕ほか/2018年9月刊行/ 照林社

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