日中の急変と夜間の急変。対応は、どう違う?
『いまさら聞けない!急変対応Q&A』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は急変対応の日中と夜間の違いについて解説します。
道又元裕
Critical Care Research Institute(CCRI)
急変は、時刻・場所・人的体制・患者構成など、シチュエーションを選ばず発生します。
しかし、夜間であっても、日中であっても、患者の安全そして安寧・安楽を保持することは、看護師として実施すべき大切な役割だといえるでしょう。
基本的な対応は日中と同じ
夜間の急変対応だからといって、特別なことはありません。急変を発見したら、応援要請し、ガイドラインに沿って対応していきます。
1 事前の情報収集を怠らない
そうはいっても、夜間は、人手が少なく、日中と違って応援を要請しても、すぐに必要なマンパワーが確保できるとは限りません。少ない人数で、どう対応するかがカギだといえるでしょう。そのためには、事前の準備(患者情報のチェック)が非常に重要です。
夜勤に入る前には、最低でも、病棟に入院しているすべての患者の氏名・病室・病名・治療方針・現在の状態を把握しておきましょう(表1)。
「自分の所属するチームの患者情報だけわかっていればいいや」と考えてしまうと、いざというときにスムーズに対応できなくなってしまいます。
2 意図的に、注意深く観察する
夜間の病室内は暗く、ただでさえ観察しづらい状況です。加えて、看護師に「患者の睡眠を阻害したくない」という気持ちがあることから、観察・アセスメントを十分に実施しにくい環境であるのも事実です。
しかし、患者にとってベストな対応は「急変する前に気づき、急変を未然に防ぐこと」です。必要時には、躊躇なく患者を起こして、症状の変化の有無を確認することが、最も大切です(表2)。
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引用・参考文献
1)山下将志:夜間の急変発生!? さあどうする?.月刊ナーシング 2015;35(6):70-75.
2)佐藤憲明 編:夜間の急変 その対応とドクターコール.照林社,東京,2013.
本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
[出典] 『いまさら聞けない!急変対応Q&A』 編著/道又元裕ほか/2018年9月刊行/ 照林社