DCは病棟にあるが、AEDはない。そんなとき、DCを使って除細動を行ってもいい?

 

『いまさら聞けない!急変対応Q&A』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回はAEDのない病棟で、DCを使って除細動を行うことの是非について解説します。

 

平井美恵子
東京医科歯科大学病院 看護部/救急看護認定看護師

 

DCは病棟にあるが、AEDはない。そんなとき、DCを使って除細動を行ってもいい?

 

「AEDモード」のあるDCであれば、看護師もDCによる除細動を行えます。

 

 

AED(自動体外式除細動器)は、一般市民でも使えるようにつくられた除細動器です。コンピューターが自動で心電図を解析し、危険のないエネルギー量までしか出力できないように設定されています。

 

一方、DC(直流除細動器)は、医療現場にしかありません。DCは、医師が心電図を判断し、除細動の適応やエネルギー量を決定する機器です。しかし、最新型のDCには、AEDと同じ機能をもつAEDモードが搭載されています。

 

VF(心室細動)やpVT(無脈性心室頻拍)は、早期除細動が重要です(くわしくは「AEDと心電図モニタが同時に到着。どちらを優先させるべき?」)。蘇生および社会復帰のため、遠くのAEDより、近くのDCを使って早期除細動を行いましょう。

 

DC使用時の注意点

1 AEDモードがあるか

まず、病棟のDCにAEDモードがあるか確認しましょう(図1)。

 

図1 DCのAEDモード

DCのAEDモード

 

2 使い捨て電極パッドがあるか

DCには、通常、パドルがセットされています。しかし、AEDモード時は、使い捨て電極パッドでしか使用できないため、交換が必要です。

 

3 AEDモードの音声ガイドに従って操作

DCのダイヤルを「AED」にセットすると、音声ガイドが流れます。その後は、音声ガイドの指示に従って操作することになります。

 

操作方法や除細動時のエネルギー量は、機種によって異なります。急変時にスムーズに対応できるよう、使用方法を熟知し、定期的に点検・訓練することが大切です。

 

また、それぞれの施設で、DCの使用について明文化しておくと、よりよいでしょう(くわしくは「医師の指示がなくても、看護師の判断でAEDを使っていいの?」)。

 

 

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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『いまさら聞けない!急変対応Q&A』 編著/道又元裕ほか/2018年9月刊行/ 照林社

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