産褥期の乳房ケア
『新訂版 周産期ケアマニュアル 第3版』(サイオ出版)より転載。
今回は産褥期の乳房ケアについて解説します。
堀田久美
菜桜助産所助産師
母乳哺育を確立するためのケア
母乳哺育を確立するために、①乳房・乳頭状態の観察、②乳汁の産生と分泌を促進、③不快症状の軽減、④授乳方法や授乳姿勢の援助を行う。
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乳房・乳頭の観察
乳房の観察
乳房の形を観察し、児が吸着しやすい適切な姿勢をアドバイスする。
乳頭の観察
乳頭の形(図1)によっては児が吸啜(きゅうてつ)しにくいことがある。
乳管開口本数の確認と見方
・手を洗い、母指・示指の第1 関節の腹の部分を用いて、乳輪部付近(乳管洞)を圧する。
・圧する部分は4か所程度行う。
・乳汁排出がみられた乳管開口本数を数える(図2)。
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乳房ケア
1乳頭・乳輪部マッサージ
目的
・乳頭・乳輪部を圧迫することで、浮腫を除去し、乳頭を柔軟にし、児の吸啜による乳頭トラブルを防ぐ。
・浮腫を除去し、乳頭に付着した乳かすを取り除き、乳管開通を促す。
手順
1マッサージする側の乳房を下から一方の手で支える。
2反対側の手の母指・示指の第1 関節の腹を用いて、乳頭を5〜10秒間圧する。
3指の位置を少しずつをずらして、乳輪全周囲をまんべんなく圧する。
4乳かすが多量に付着している場合は、乳頭・乳輪部を縦方向に(図3)、横方向に軽くもみずらし(図4)、乳かすを取り除く。このとき、乳頭をねじらないように注意する。
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5乳輪部を圧迫し、マッサージ後の乳管開口本数を確認する。
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本連載は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 周産期ケアマニュアル 第3版』 編著/立岡弓子/2020年3月刊行/ サイオ出版