胆嚢・胆管の解剖生理
『ナスさんが教える! ぴんとくる消化器外科看護』より転載。
今回は胆嚢・胆管の解剖生理について解説します。
著者/ぷろぺら(看護師)
医学監修/平野龍亮
相澤病院外科センター乳腺・甲状腺外科
日本外科学会専門医・日本乳癌学会乳腺認定医・臨床研修指導医
胆嚢・胆管の構造と働き
胆嚢
胆嚢は肝臓の下にあり、肝臓でつくられた胆汁を濃縮して溜めておく袋の役割があります(図1)。
胆嚢は胆汁の水分を吸収することで5~10倍に濃縮し、50~60mLを貯留することができます。
食事をすると胆嚢が収縮して胆汁が送り出されます。その後、総胆管を通り、ファーター乳頭部から膵液とともに十二指腸へ流入します。
胆汁とは
脂肪を分解しやすくする作用がある濃緑色~茶色の消化液で、胆汁酸塩や胆汁色素、コレステロール、ビリルビンなどが主な成分です。肝臓で1日約1L生成されます。 消化液であると同時に、肝臓で解毒したものの分解物を排泄する役割もあります。
胆管
胆管は、肝臓・胆嚢・膵臓をつなぎ、十二指腸へ胆汁や膵液を送る役割があります(図2)。
このように、肝臓・胆嚢・膵臓は胆管でつながっているね。
だから、この胆管がなんらかの原因で詰まると、3つのうちの臓器のどこかが不全状態になるのはわかるかな?
はい!
あと、胆汁や膵液が漏れると重症になりやすいということも理解できました。
胆管の手術を行う場合は、肝臓・胆嚢・膵臓以外に十二指腸や胃にもかかわるよ。
だから、たとえば胆嚢の疾患でも、胆嚢単体でみるのではなく、他の臓器と関連づけて観察ができるよう、解剖生理の知識もしっかり押さえておこうね!
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【著者プロフィール】
ぷろぺら(@puropera44)
看護師。これまでに慢性期病棟、クリニック、消化器外科、HCU、救急病棟、泌尿器科、腎臓内科などを経験。
看護roo!では『マンガ・ぴんとこなーす』を連載中。
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本連載は株式会社南山堂の提供により掲載しています。
[出典] 『ナスさんが教える! ぴんとくる消化器外科看護』 著者・ぷろぺら/医学監修・平野龍亮/2020年3月刊行/ 南山堂