小腸・大腸の解剖生理
『ナスさんが教える! ぴんとくる消化器外科看護』より転載。
今回は小腸・大腸の解剖生理について解説します。
著者/ぷろぺら(看護師)
医学監修/平野龍亮
相澤病院外科センター乳腺・甲状腺外科
日本外科学会専門医・日本乳癌学会乳腺認定医・臨床研修指導医
小腸・大腸の構造と働き
①小腸
小腸の長さは約6mです。十二指腸を経てトライツ靱帯以降は空腸、さらに進むと回腸と呼ばれますが、境目があるわけではありません(図1)。主な仕事は消化と栄養の吸収です。
空腸は解剖したときにいつも中身が空だったから「空腸」、回腸は解剖したときによくとぐろを巻いているようにみえたから「回腸」っていうんだって!
②大腸
大腸の長さは約1.5mです。空腸から盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、 S状結腸、直腸を経て肛門へ向かいます。主な仕事は水分を調整して便を作ることです。
小腸と大腸で縫合不全のリスクが違う理由
小腸は大腸に比べて長さが長く、血流も圧倒的に多いです。そのため、縫合不全がとても少ないのです。一方、大腸は短く、さらに上行結腸と下行結腸が固定されているため、自由がききません。だから、縫合しても物理的に離れる方向に力がかかり、縫合部にテンションがかかりやくなります。
大腸は縫合不全が多い!
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【著者プロフィール】
ぷろぺら(@puropera44)
看護師。これまでに慢性期病棟、クリニック、消化器外科、HCU、救急病棟、泌尿器科、腎臓内科などを経験。
看護roo!では『マンガ・ぴんとこなーす』を連載中。
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本連載は株式会社南山堂の提供により掲載しています。
[出典] 『ナスさんが教える! ぴんとくる消化器外科看護』 著者・ぷろぺら/医学監修・平野龍亮/2020年3月刊行/ 南山堂