顔面けいれん

『本当に大切なことが1冊でわかる脳神経』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は顔面けいれんの特徴・検査・治療・看護のポイントについて解説します。

 

石田敦子
東海大学医学部付属八王子病院看護部副主任

 

 

顔面けいれんとは?

顔面けいれんとは、血管により顔面神経が圧迫されることで、自分の意図とは関係なく顔面の片側の筋肉がけいれんしてしまう、神経血管圧迫症候群の1つです(図1)。

 

図1顔面けいれんの病態と症状

図1顔面けいれんの病態と症状

 

ストレスや緊張により、症状が悪化することが知られています。

 

 

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患者さんはどんな状態?

下眼瞼のけいれんから始まることが多く、頬、口角、下顎へと徐々に広がります。

 

通常、片側だけに起きますが、まれに両側性の顔面けいれんもみられます。

 

初期には緊張したときなどのみ症状が現れますが、徐々にけいれんの頻度が多くなることもあります。

 

長期間にわたりけいれんが続いていると、けいれんのないときには顔面神経麻痺がみられるケースもあります。

 

 

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どんな検査をして診断する?

まれに動脈瘤や脳腫瘍による圧迫が原因のことがあるため、MRIMRAなどの画像検査により、原因検索を行います。

 

顔面の筋電図検査を実施することもあります。

 

 

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どんな治療を行う?

生活に支障がなければ、治療の対象にはなりません。

 

抗てんかん薬(クロナゼパム)、抗不安薬、筋弛緩薬などによる薬物治療が有効です。

 

筋収縮を抑制するボツリヌス毒素(ボトックス®)を表情筋に注射することで、症状を数か月抑えることができ、外来での通院治療が可能です。

 

難治性の場合は、三叉神経痛と同様に、神経に接している動脈を移動するジャネッタ手術(微小血管減圧術)という選択肢もあります。

 

 

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看護師は何に注意する?

経過観察となった場合は、精神的なケアが必要です。

 

特に女性の場合、他人の目が気になるために外出を避けるなど、日常生活に消極的になりやすくなることがあるため、配慮が必要です。

 

 

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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 脳神経』 編集/東海大学医学部付属八王子病院看護部/2020年4月刊行/ 照林社

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