三叉神経痛

『本当に大切なことが1冊でわかる脳神経』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は三叉神経痛の検査・治療・看護について解説します。

 

石田敦子
東海大学医学部付属八王子病院看護部副主任

 

 

三叉神経痛とは?

顔面の感覚を支配する三叉神経の分布領域に沿って、片側性に数秒から数十秒続く激痛を繰り返す疾患です(図1)。

 

図1三叉神経痛の病態と症状

図1三叉神経痛の病態と症状

 

40~60歳代に多く、比較的女性に多くみられます。

 

 

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患者さんはどんな状態?

顔面に触れる、洗顔、会話、食事、冷たい風などの刺激に誘発され、突発的な「刺されるような」激痛が生じます。

 

痛みの発作は数秒から数十秒持続し、繰り返します。

 

触ると痛みが誘発される、トリガーポイント疼痛誘発点)と呼ばれる部位があります。

 

memo:トリガーポイント

毛髪、眉毛、鼻翼、頰、口唇周囲など、触れると疼痛が生じる特定の部位。

 

 

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どんな検査をして診断する?

問診により、頭痛、顔面痛をきたす他疾患との鑑別が重要です。

 

MRIにて、症候性(脳腫瘍など)との鑑別や血管による神経の圧迫所見の検索を行います。

 

腫瘍など、早急な治療が必要な場合もあるため、診断は慎重に行います。

 

 

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どんな治療を行う?

三叉神経痛の治療法の選択には次のようなものがあります(図2)。

 

図2三叉神経痛の治療法の選択

図2三叉神経痛の治療法の選択

★1 ガンマナイフ

 

 

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看護師は何に注意する?

食事や洗顔など、日常生活に困難が生じるので、ていねいに援助します。

 

内服薬や注射薬による疼痛のコントロールを行います。

 

術後は、遅発性の聴力障害顔面麻痺の出現に注意して観察します。

 

術後は髄液漏のリスクもあるので注意が必要です。

 

 

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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 脳神経』 編集/東海大学医学部付属八王子病院看護部/2020年4月刊行/ 照林社

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