脳神経の検査

『本当に大切なことが1冊でわかる脳神経』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は脳神経領域で行う検査について解説します。

石田智子
東海大学医学部付属八王子病院看護部主任
景山優子
東海大学医学部付属八王子病院看護部主任

 

 

どんな検査を行う?

脳神経領域で行う検査には、検体検査や生理機能検査、画像検査などがあります。

 

頭蓋内に病変を生じた場合、早急に対応をしなければ、死に直結することもあります。また、死に直結しなくとも、対応の方法を誤り、対応が遅れることで、植物状態になってしまう可能性もあります。例えば、意識障害などでは、脳の不可逆的な障害の発生を防ぐために、的確・迅速な原因の究明と効果的な治療が要求されます。そこで、上記に挙げた検査を行う前に、まずフィジカルアセスメントを行うことが大切です。

 

フィジカルアセスメント

フィジカルアセスメントには、一般身体学的所見と、神経学的所見があります。神経学的所見には、意識の状態、高次脳機能、脳神経、運動・感覚機能、小脳症状、自律神経機能などが含まれ、脳神経疾患の状態を把握することを目的に行います。

 

検体検査

脳脊髄液検査は、腰椎穿刺により脳脊髄液を採取して行います。

 

中枢神経系および髄膜の疾患の診断を目的とし、脳脊髄液の性状や頭蓋内圧、細菌や化学的検査結果をみていきます。

 

生理機能検査

生理機能検査には、脳波検査筋電図検査神経伝導検査があります。

 

脳波検査は、てんかんや意識障害の診断や治療効果の評価、蘇生後脳症における脳機能評価などを目的に行います。

 

筋電図検査、神経伝導検査は、筋疾患(ミオパチー)や末梢神経障害(ニューロパチー)の診断を目的に行います。

 

画像検査

画像検査には、X線撮影、CT、MRI、脳血管撮影、PET、SPECTなどがあります。

 

画像検査は、さまざまな脳血管疾患の診断や、病巣の状態を確認することを目的に行います。

 

memo:蘇生後脳症

心停止により脳への血流が一定時間途絶えたことにより、心拍が再開したあとに脳に障害が残った状態。

 

 

 


本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 脳神経』 編集/東海大学医学部付属八王子病院看護部/2020年4月刊行/ 照林社

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