脳幹のしくみとはたらき
『本当に大切なことが1冊でわかる脳神経』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は脳幹の解剖生理について解説します。
剱持雄二
東海大学医学部付属八王子病院看護部主任 集中ケア認定看護師
脳幹〈のうかん〉は、中枢神経系を構成する重要な部位が集まる器官です(図1)。
脳幹は、大脳に近い側から中脳、橋、延髄の3つの部分に分けられます。
延髄は生命の維持に欠かせない呼吸、血圧、嚥下などの自律機能を直接制御している重要な部位です。
脳幹には、動眼神経、滑車神経、三叉神経、外転神経、顔面神経、副神経、舌下神経の運動核が存在し、眼球運動や舌の運動を調節しています。
脳幹網様体は、視床、大脳に刺激を送り意識を保つ機能があるため、この領域が障害されると意識障害が起こります。
大脳皮質からの運動の指令を末梢へ伝える経路で、脳幹の錐体を通るものを錐体路といいます。
脳幹が障害されると図2のような症状が起こります。
本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 脳神経』 編集/東海大学医学部付属八王子病院看護部/2020年4月刊行/ 照林社