V-V ECMO（V-V体外式膜型人工肺）《知っておきたい治療法③

『本当に大切なことが1冊でわかる循環器』（照林社）より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は体外式膜型人工肺（V-V ECMO）について解説します。

 

矢作由紀子
新東京病院看護部

 

〈目次〉

• 体外式膜型人工肺（V-V ECMO）はどんな治療？
• 合併症には何がある？
• 看護師は何に注意する？

 

 

体外式膜型人工肺（V-V ECMO）はどんな治療？

体外式膜型人工肺（V-V ECMO^※1）は、PCPSと同様の装置を用いた治療です。

 

重症呼吸不全に対して、肺保護を目標として使用します。

 

V-V ECMO

V-V ECMOで使用する機械や回路はPCPSと同様です。

 

脱血管：大腿静脈から挿入し留置します。

 

送血管：右内頸静脈または大腿静脈より挿入します。

 

これらの管と回路を接続し、人工肺で酸素化した血液をポンプにて内頸静脈または大腿静脈から送血することにより、肺を保護し、肺障害の進行を抑えることができます。

 

適応疾患は、重症肺炎、急性呼吸窮迫症候群（ARDS）、手術後の重症呼吸不全、敗血症などです。

 

 

合併症には何がある？

PCPS装着中の合併症と同様です。患者さんと機械に起因にした合併症に注意しましょう。

 

 

看護師は何に注意する？

患者さんの呼吸・循環動態の管理、合併症への観察・看護が重要になります。

 

特に呼吸・循環動態は、PCPSと違って循環を補助しないため、循環不全に陥った際はV-A ECMOへの移行も検討します。

 

その他の観察項目については、PCPSの合併症を参考にしてください。

 

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［出典］ 『本当に大切なことが１冊でわかる 循環器 第2版』 編集／新東京病院看護部／2020年2月刊行／ 照林社